店先でじゅじゅっとその場で揚げてくれる手作りコロッケのお店。「お客さんと揚げながらのおしゃべりは楽しいです」と、その店のおばあちゃんは言う。ほかほかを、紙にくるんでくれて、はふはふと食べながら帰る。

（ミート・コロッケ）ジャガイモのコロッケを食べなれていた所為だろう、クリーム・ソースにくるまれた肉のやわらかさ、揚げ油の香気……何ともいえぬおもいがした

シンプルだけど少しコショーが効いた味付け

アボカドとクリームチーズが入った、変わり種コロッケ。おもてなしにも最適。

（コロッケはフライの中で）一番地味な存在である。風貌、性格、容姿、いずれにも派手さはなく、万事ひかえめ、ひっそりしている。 　その地味さかげん、陰影のある面ざし、生活感のあるたたずまい、いずれをとってもゴハンの正妻という感じがする。それもただの正妻ではなく、〝糟糠の妻〟なのである。 　ゴハンと長く連れ添い、互いの裏も表も知りつくした仲といえる。 　ゴハンとコロッケ、これほど貧しく、これほど哀切で、これほど清々しい取り合わせが他にあるだろうか。

まったく音を立てずに、淑女のようにスープを飲んだ。

生クリームがたっぷりのリッチで濃厚な仕上がりになっている

世界チャンピオンが焼き上げたピザ

新鮮な野菜をモザイク風に寄せたテリーヌにトマトのゼリーがかけてある

茶褐色のスープに純白のクリームが浮いている。具はビーツと玉ねぎ、カブ、鶏肉などが入っているようだ。油がたっぷりと入っているように見えたが、むしろ油は少なめで、表面に膜を作っているのは溶けた野菜の繊維と調味料だった。