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めったに見せない極上の笑顔だ。美咲のこの笑顔に接するたびに、あたしは花を見る。ほころびかけた小さな花の蕾だ。美しくて、清々しい。胸の奥が熱くなる。こんなふうに、花のように微笑むことのできる人を、あたしは美咲より他には、まだ知らない。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 ページ位置:22% 作品を確認(amazon)
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笑顔
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前後の文章を含んだ引用
......連絡するから、迎えに来て……うん、そう……じゃあね、はーい」 携帯を置いて、美咲が微笑む。あごのとがった小さな顔の線が、ふるっと緩む。目の中に優しい光が煌めく。めったに見せない極上の笑顔だ。美咲のこの笑顔に接するたびに、あたしは花を見る。ほころびかけた小さな花の蕾だ。美しくて、清々しい。胸の奥が熱くなる。こんなふうに、花のように微笑むことのできる人を、あたしは美咲より他には、まだ知らない。「やったぜ、三抜け。親に感謝」「おばちゃんから?」「そう。雨が降ってるから迎えに行こうかだって。ふふん、うちの親、雨に濡れると娘が溶けるって思ってんのよね」「溶......
単語の意味
綻びる(ほころびる)
笑顔(えがお)
胸(むね)
清清しい・清々しい(すがすがしい)
笑顔・・・笑っている顔。笑みを含んだ顔。にこにこ顔。
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笑顔の表現・描写・類語(喜びのカテゴリ)の一覧 ランダム5
テレたような、だまってオナラした人がするような笑いをうかべた
安岡章太郎 / ガラスの靴 amazon
微笑みを浮かべるときのように口の両端を少し横に広げたが、実際には微笑みは浮かばなかった。その暗示のようなものがあっただけだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
成瀬は嬉しそうな久遠を見ながら、犬が笑えばこうなるのではないか、と思った。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
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胸で喜びを感じるときの表現・描写・類語(喜びのカテゴリ)の一覧 ランダム5
そうしたら不思議なことに、胸がすっきりしていた。 それはなくなると、まるでなかったことのように思えた。どういうふうに圧迫されていたのか、もう思い出せなかった。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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笑う・笑みの比喩表現の例文 一覧 ランダム5
天井を打ち貫(ぬ)くような鋭い笑声をあげた。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
咲(え)み割れるような、今の女中の笑い声が揺れて来る。
徳田 秋声 / 新世帯 amazon
甲高く鳥の叫ぶような声が切れ切れに聞こえた。女の笑い声のようだ
日野啓三 / 夢の島 amazon
ある種の鳥類のような笑い声
堀田 善衛 / 鬼無鬼島 amazon
フフフフと、木を磨り合せるような短い笑い声を洩らした。
石坂 洋次郎 / 石中先生行状記 amazon
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「喜び」カテゴリからランダム5
静寂はサユリの小さな呻き声によって壊された。それは、彼女のものとは思われないほど、か細い声だった。声は断続的にふわふわと現れ空中を舞った。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
何でも自由に望みのものが生れそうな力を孕 んだ楽しい気分が充ちて来た。
岡本かの子 / 金魚撩乱
「表情・顔に表れた気持ち」カテゴリからランダム5
ぼっちゃんが赤い子鬼のような顔をして
中島 京子「小さいおうち (文春文庫)」に収録 amazon
もったいぶった、ロイヤルストレートフラッシュを開けるような手つきがいかにも芝居がかっていた
鈴木 光司 / リング amazon
「笑う・笑み」カテゴリからランダム5
微笑が一層深くなった。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
広い肩をゆすつて、哄笑 した。
芥川龍之介 / 芋粥
椅子の背もたれに仰け反るようにして、くちもとに軽く握った手を宛てがいながら、肩を揺すって笑っていた。そして、「おかしい。」と 呟くと、中指で下 睫 の涙を拭った。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
落葉のような乾いた笑いをまき散らしながら
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
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