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「君の、名前は?」 その声は、こだまとなって夜の山に響く。虚空に繰り返し問いかけながら、すこしずつ小さくなっていく。 やがて、無音が降りてくる。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 ページ位置:80% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......強くつよくそう思う。自分が忘れたという現象そのものも、俺はもうすぐ忘れてしまう。だから、この感情一つだけを足場にして、俺は最後にもう一度だけ、大声で夜空に叫ぶ。「君の、名前は?」 その声は、こだまとなって夜の山に響く。虚空に繰り返し問いかけながら、すこしずつ小さくなっていく。 やがて、無音が降りてくる。第七章 うつくしく、もがく 私は走る。 暗い獣道を、彼の名前を繰り返しながら、ひたすらに走る。 瀧くん、瀧くん、瀧くん。 ──大丈夫、覚えてる。ぜったいに忘れな......
単語の意味
虚空(こくう)
木霊・谺(こだま)
無音(むおん・ぶいん)
木霊・谺・・・1.木に宿る霊。木の精霊。
2.(1が応えるものと考えられて)音や声が山や谷などの側面ぶつかって跳ね返ってきて聞こえる現象。山彦(やまびこ)。
2.(1が応えるものと考えられて)音や声が山や谷などの側面ぶつかって跳ね返ってきて聞こえる現象。山彦(やまびこ)。
無音・・・1.(「むおん」と読んで)音がしないこと。また、音が一切聞こえないこと。
2.(「ぶいん」と読んで)挨拶するのが適切であるのに、挨拶のないこと。また、しばらく便りをしないこと。音信が途絶えること。(ご)無沙汰(ぶさた)。
2.(「ぶいん」と読んで)挨拶するのが適切であるのに、挨拶のないこと。また、しばらく便りをしないこと。音信が途絶えること。(ご)無沙汰(ぶさた)。
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