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エンジンを入れてボートを湖面に滑 り出さすと、鶺鴒 の尾のように船あとを長くひき、ピストンの鼓動 は気のひけるほど山水の平静を破った。
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:40% 作品を確認(青空文庫)
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船・ボート
軌跡・足跡・轍
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前後の文章を含んだ引用
......解いた。対岸の平沙 の上にM山が突兀 として富士型に聳 え、見詰めても、もう眼が痛くならない光の落ちついた夕陽が、銅の襖 の引手のようにくっきりと重々しくかかっている。エンジンを入れてボートを湖面に滑 り出さすと、鶺鴒 の尾のように船あとを長くひき、ピストンの鼓動 は気のひけるほど山水の平静を破った。 復一の船が海水浴場のある対岸の平沙の鼻に近づくと湖は三叉 の方向に展開しているのが眺め渡された。左手は一番広くて袋 なりに水は奥へ行くほど薄れた懐 を拡げ、微紅 の夕 ......
単語の意味
平静(へいせい)
山水(さんすい)
鶺鴒(せきれい・まなばしら)
平静・・・人の心や態度、世の中が落ち着いているさま。穏やか。
山水・・・山と川。山と川に代表される、自然の景色。
鶺鴒・・・セキレイ科の小鳥の総称。体は黒灰色、腹は白または黄色。主に水辺に住み、川原の石などにとまり、長い尾を上下に振る習性がある。「まなばしら」は古名。
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船が竿を弓のように張って流れを遡(さかのぼ)って行く
田山 花袋 / 田舎教師 amazon
神戸の海の、そのちょうど水平線のあたりに、一隻 の船が停まっていた。赤と黄色の 灯 は、 空漠 たる闇の中でひどくひそやかに静止していた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
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市電が通り過ぎていく。その振動は信雄の体にも伝わってくる。信雄は父の膝に丸まって、だんだん消えていく振動の余韻を追った。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
太鼓の内部のような船室
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
発動機がバタバタ動き出した。船尾で水が掻 き廻されて、アブクが立った。
小林多喜二 / 蟹工船
(ボート)モーターのびびびという音と震動が飛び去る水の煌きざわめきに頼もしく聞こえる
幸田文 / おとうと amazon
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