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泥は脛まであった。ずるずる入る足裏は、固定した基盤に触れなかった。そこまで踏みおろした泥の厚さで、やっと支えている、そういう不安定な感じであった。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 ページ位置:57% 作品を確認(amazon)
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ぬかるみ・どろどろ
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前後の文章を含んだ引用
......い草の繁みがあり、水の流れる音がした。私の裸の足は冷い水を感じ、脛まで漬った。次の足は草の根の束に載った。それから二尺ほど落ち込み、そしてはっきり泥が始った。 泥は脛まであった。ずるずる入る足裏は、固定した基盤に触れなかった。そこまで踏みおろした泥の厚さで、やっと支えている、そういう不安定な感じであった。肩に担いだ銃の重さが、それだけ足を沈めるように思われた。進むにつれて、泥は深くなった。 右も左も、ただ闇が拡がっていた。雨はいつか止み、遠く犬の鳴く声が断続して......
単語の意味
臑・脛(すね)
臑・脛・・・足の、膝(ひざ)から踝(くるぶし)までの部分。とくに、その前面をいう。脛(はぎ)。
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泥はますます深く、 膝 を越した。片足を高く抜き、重心のかかった他方の足が、もぐりそうになるのをこらえ、抜いた足で、泥の上面を掃くように、大きく外に弧を描いて前へ出す。その足がずぶずぶと入る勢に乗って、後に残した足を抜き、同じように前へ出す。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
泥はやや浅くなっていた。それからまた二足、殆んど 腿 まで深く入って、次の足は 棚 のように高い、固い土盤に乗った。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
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