まわりの形色も物音もぼっとなって夢の中を歩いているよう
岡本かの子 / 巴里祭 ページ位置:73% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
上の空・心ここにあらず
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......使い、口笛を嚠喨 と吹いた。これほどの喧騒も混み合いも新吉がカテリイヌを追い求める心をまぎらわすことは出来なかった。午後になり時間がせまればせまるほど気があせり、まわりの形色も物音もぼっとなって夢の中を歩いているようで、広い巴里のなかの何処に居るとも知れぬカテリイヌの面影が却って現実のように眼の前にちらついた。其の面影は面長で、たゞ真白な顔――黒とも藍ともつかぬ睫 のなかに煙......
ここに意味を表示
上の空・心ここにあらずの表現・描写・類語(その他の気分のカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
「その他の気分」カテゴリからランダム5
何処からともなく蕎麦 のだしを煮出している匂いがする。胃袋がぶるぶる顫 えて仕方がない。
林芙美子 / 新版 放浪記
人々は家畜のようにおとなしく
石坂 洋次郎 / 颱風とざくろ amazon
外に出ると酔いが真夜中の貨物列車みたいに急激に僕の体の中を通り抜けていった。まったくひどい気分だった。『オズの魔法使い』のブリキ男のように体がきしんだ。
村上春樹 / ファミリー・アフェア「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
その他の気分 の表現の一覧
感情表現 大カテゴリ