枯葉は、晩秋の朝の日射しの中で、狭卵形の葉先の深い 黄褐色 と真ん中あたりの鮮やかな黄色と根元にわずかに残る緑色と、どの色も美しく小さく輝かせていた。細い縁どりの 鋸歯 に虫食いが二つ。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 ページ位置:89% 作品を確認(amazon)
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枯れ葉・葉が散る
紅葉
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前後の文章を含んだ引用
......枚落ちていた。 十一月の半ばである。 ビルの谷間の屋外のテーブルに、隣の高層ビルや樹木やポールなどの遮蔽物を縫って、わずかな日射しが恩恵のようにこぼれていた。 枯葉は、晩秋の朝の日射しの中で、狭卵形の葉先の深い黄褐色と真ん中あたりの鮮やかな黄色と根元にわずかに残る緑色と、どの色も美しく小さく輝かせていた。細い縁どりの鋸歯に虫食いが二つ。 セルフサービスの紙コップのコーヒーを前に置いて、私はその枯葉に見惚れていた。 あの夜、逮捕された私は、渋谷警察署に留置された。 翌日、そのまま取調べがはじまり......
単語の意味
晩秋(ばんしゅう)
晩秋・・・秋の終わりごろ。秋の末。暮秋。陰暦9月の異名。
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カサコソと枯葉が骸骨 の踊りを鳴らした。
梶井基次郎 / 冬の日
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最初はなにか夕焼の反射をでも受けているのじゃないかなど疑いました。そんな赤さなのです。
梶井基次郎 / 橡の花
途方もなく大きな友禅染の布を広げたような台地
高橋治 / 石の微笑み「女たち」に収録 amazon
宮地家の墓地を囲む満天星(どうだんつつじ)は、花のようにがっちりした赤を、澄んだ秋の空気の底に沈めていた。
大岡 昇平 / 武蔵野夫人 amazon
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焼栗の声がなつかしい頃になった。
林芙美子 / 新版 放浪記
ようやく紅葉の兆しが見えてきた木々
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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