ぼくはそのとき実をいうと、頭の隅でほかのことを考えていた。《…略…》だからその男がぼくに向かってなにを言おうとしているのか、しばらくのあいだうまく理解できなかった。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:87% 作品を確認(amazon)
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上の空・心ここにあらず
気が散る・集中できない
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......もっていきましょうか。そうすればわたしとしてはとてもらくなんです。こんなのれんに腕押しみたいな、しょうもないことをやって、半日をムダにしなくてすみますものね」 ぼくはそのとき実をいうと、頭の隅でほかのことを考えていた。スーパーマーケットのうらぶれた保安室の風景はぼくに否応なく、あのギリシャの島の警察のことを思い出させた。そしてぼくはすみれのことを考えないわけにはいかなかったのだ。彼女の不在のことを。 だからその男がぼくに向かってなにを言おうとしているのか、しばらくのあいだうまく理解できなかった。「父親にも言いまして、子供にはきつく注意いたします。万引きが犯罪だということはよく言って聞かせます。二度とご迷惑はおかけしません」と彼女が抑揚を欠いた声で言った......
単語の意味
暫く・姑く・須臾(しばらく)
暫く・姑く・須臾・・・1.長いと感じるほどではないが、すぐともいえないほどの時間。ちょっとの間。一時的。
2.ちょっと待った!
2.ちょっと待った!
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どのページを開いていても、記事の内容は頭に入っていなかった。
朝井 リョウ / 破りたかったもののすべて「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
心を集注する熱が、何だか胸の辺で欠乏している。
宮本百合子 / 伸子
へいぜい自分の使っている茶碗 でしきりに茶を飲む折田を見ると、そのたび彼は心が話からそれる。
梶井基次郎 / 冬の日
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時間は驚くほどゆっくりと流れた。それは天に向けてそびえ立つ巨大な機械装置の一個のボルトを思わせる冷ややかで硬質な三十分だった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
私は大かた半日同じ姿勢で為すことなく暮した。
岡本かの子 / 河明り
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くる日もくる日も、武内は決して酔えない酒を飲んで暮らした。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
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