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部屋中の空気はぴくりとも動かなかった。浅い眠りが何度か彼の体を通り過ぎる。《…略…》自分の肉体が少しずつ実体をなくし、重さをなくし、感覚をなくしていくのに耐えた。《…略…》目の前の白い壁はその息づかいにあわせてゆっくりと揺れた。空間がある密度を持ち、彼の肉体を侵し始める。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:92% 作品を確認(amazon)
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憂鬱・気分が晴れない
眠たい・眠気
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前後の文章を含んだ引用
......ってみる。そして結局はこうなるはずだったんだ、と思う。 それだけの時間を、鼠はぴったりとブラインドを下ろした部屋の中で、壁にかかった電気時計の針を眺めて過した。部屋中の空気はぴくりとも動かなかった。浅い眠りが何度か彼の体を通り過ぎる。時計の針はもう何の意味も持たない。闇の濃淡が幾度か繰り返されるだけだ。鼠は自分の肉体が少しずつ実体をなくし、重さをなくし、感覚をなくしていくのに耐えた。何時間、いったい何時間俺はこうしていたのだろう、と彼は思う。目の前の白い壁はその息づかいにあわせてゆっくりと揺れた。空間がある密度を持ち、彼の肉体を侵し始める。そしてこれ以上は耐えられまいというポイントを推し測って鼠は立ち上がり、シャワーに入り、朦朧とした意識の中で髭を剃った。そして体を拭き、冷蔵庫のオレンジ・ジュース......
単語の意味
肉体(にくたい)
肉体・・・肉から構成されている体。生きている人間の体。生身の体。
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思い出すたび、財前は重たい憂鬱に満たされた。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
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もう治まっていたはずの時差ボケが、急にぶり返したかのような、少しざらついた感触の眠気だった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
衰えなくなった風雨の音が眠気を誘い出す
古井 由吉 / 聖 amazon
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草葉が霜にしおれるように、がくりと首をたれた。
森 鴎外 / 護持院原の敵討 amazon
目の前で沙里が喋り続けているのだが、その声が聞こえない。みんなが口々に何か言っているのだが、まるでみんな溺れているように、その口がパクパクと動いているだけにしか見えない。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
お民さんは可哀相なほど元気がないのです。木の葉のそよぐにも溜息 をつき烏 の鳴くにも涙ぐんで、さわれば泣きそうな風でいたところへ、お母さんから少しきつく叱られたから留度 なく泣いたのでしょう。
伊藤左千夫 / 野菊の墓
不思議なしびれはどんどん深まって行く。波の音なども少しずつかすかになって、耳にはいったりはいらなかったりする。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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蒸暑い体を冷たい土に寝せている
吉川英治 / 銀河まつり
ダッシュボードに脚を投げだしてシートに身を沈め、おなかの上で両手を組んでいた。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
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「おい」と良人は割に気軽に声を掛けた。 「何?」細君は 艶 のない声で 物憂 そうな眼を挙げた。
志賀 直哉 / 好人物の夫婦「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
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