実家は、遮る木立ちすらない広大な茶畑の中にある。緩やかな起伏の 涯 もなく続く、 豊饒 な台地だった。
浅田次郎 / うらぼんえ「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 ページ位置:19% 作品を確認(amazon)
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田園・田畑
田舎(いなか)
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前後の文章を含んだ引用
......た。 おじいちゃんのことなんか、何も知らないくせに――。 夫が盛大だから愕くなと言った新盆の風習は、たしかに東京の常識からは計り知れないほどのものだった。 夫の実家は、遮る木立ちすらない広大な茶畑の中にある。緩やかな起伏の涯もなく続く、豊饒な台地だった。 邸をめぐる垣根に沿って、葬儀と同様の花輪がえんえんと立ち並んでいるさまに、ちえ子は目を瞠った。それがこの地方でいう、新盆のならわしなのだった。 県道にはぎっし......
単語の意味
起伏(きふく)
起伏・・・1.高くなったり低くなったりしていること。高低。
2.栄えたり衰えたり、色々変化すること。
2.栄えたり衰えたり、色々変化すること。
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麦畑は青い海のように、またも果てしなく続く。
火野 葦平 / 麦と兵隊 amazon
ただ一枚の青畳を敷いたような田圃(たんぼ)
長塚 節 / 土 amazon
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田舎(いなか)の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
茶畑の 畝 が整然と拡がる風景を見渡す。何という肥沃な大地だろうとちえ子は思った。 六年前、初めて恋人の故郷を訪れたときには少し意外な気がしたものだが、いま考えてみれば、いかにも世間知らずの夫を 育んだ土地である。一点の 翳りもなく、ただひたすら整然とした、涯しもない大地。豊饒で、そのくせどこか無意味な感じのする、描かれた絵のような風景。
浅田次郎 / うらぼんえ「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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「地上・陸地」カテゴリからランダム5
(沿線に街ができる)「町」が、まるで鉄道の結びコブのように出来る。
小林多喜二 / 蟹工船
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