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烈しい嵐が襲ってきた。船の主帆がくだかれて烈しい音をたてて甲板にぶつかった。《…略…》嵐のあとはふたたび風が 凪いだ。マストの帆は力なく垂れ、ただ真黒な影だけが甲板に死んだように倒れている病人たちの顔や体の上に落ちている。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:3% 作品を確認(amazon)
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嵐の中の船
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前後の文章を含んだ引用
......。ロドリゴたちは、船員と共に病人の看護に走りまわり、彼等の瀉血を手伝った。 七月二十五日、聖ヤコボの祝いにやっと船は喜望峰を廻った。喜望峰をまわった日に、再度の烈しい嵐が襲ってきた。船の主帆がくだかれて烈しい音をたてて甲板にぶつかった。同じ危険にさらされた前部の帆を、病人たちもロドリゴたちもかりだされて、漸くにして救った時、船は暗礁に乗りあげたのである。もし、他の艦がただちに救いにこなければ、「サンタ・イサベル号」はそのまま沈んだかもしれない。 嵐のあとはふたたび風が凪いだ。マストの帆は力なく垂れ、ただ真黒な影だけが甲板に死んだように倒れている病人たちの顔や体の上に落ちている。海面は暑くるしく光るだけで波のうねりさえない毎日である。航海が長びくにつれ食糧と水も不足になってきた。こうしてようやく目的のゴアに着いたのは十月九日のことだった......
単語の意味
凪ぐ(なぐ)
体(からだ)
凪ぐ・・・1.風がやんで水面が静かになる。風や波がおさまる。
2.心が穏やかになる。和む。
・・・頭・胴・手足など、肉体全体をまとめていう言葉。頭からつま先までの肉体の全部。身体。体躯。五体。健康。体力。
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鋼鉄のような川石
室生 犀星 / あにいもうと「幼年時代・あにいもうと (新潮文庫)」に収録 amazon関連カテ石・岩・鉱物
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石炭をつんだ船が、ポンポンポンポンとのどかな音を立てて、河を上ったり下ったりしている。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
ピーピーと消防車がサイレンを鳴らして走っていった。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
成田から南まわりの飛行機に乗り、バンコックで一度給油してクウェートに着いた。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
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みしみしと細かく家のきしむ音がしたかと思うと、部屋が揺れ始めた。
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
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