「我が世も終れり。」というような感慨じみた嘆声がわずかに吐息と一緒に唇を割って出る
岡本かの子 / 巴里祭 ページ位置:88% 作品を確認(青空文庫)
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嘆き・嫌でため息をつく
嘆く
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前後の文章を含んだ引用
......針金にでもつき刺されるように肩から首筋を刺した。彼は首を仰向けにして、ぼんの窪 で苦痛を押えていると悲しい涙が眼頭 から瞼へあふれずにひそかに鼻の洞へ伝って行った。「我が世も終れり。」というような感慨じみた嘆声がわずかに吐息と一緒に唇を割って出ると今度は眼の裏のまぼろしに綺麗な水に濡れた自然の手洗石 が見え南天の細かい葉影を浴びて沈丁花が咲いて居る。日本の静かな朝。自分の家の小庭の手洗鉢の水流しのたゝきに......
単語の意味
感慨(かんがい)
嘆声・歎声(たんせい)
吐息(といき)
感慨・・・強く感じること。心に沁みること。しみじみと感じる気持ち。
「概」は、心を揺さぶる思いで一杯になることをあらわす字。
「概」は、心を揺さぶる思いで一杯になることをあらわす字。
嘆声・歎声・・・嘆きや感嘆の声。悲しんだり感心したときに出る声。ため息。
吐息・・・落胆したり、緊張がゆるんだりしたときに思わず吐く、大きな息。ため息。
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嘆き・嫌でため息をつくの表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
「それさえわからぬ」吐息とも 溜息 ともつかぬ息を 洩らされ
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
年寄りくさい 溜息 をついた。
浅田次郎 / 角筈にて「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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