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それは──昼下り、突然やって来た。 うとうとしていた私を、いきなり 鞭打ったのだ。 胃のあたりに第一撃があり、たちまち胸の方にこみ上げる不安のようなものにあえいで目を開けると、その訳の分らないさしせまった感覚はすでに全身を圧倒して、私は大きく口をひらいていた。 咄嗟 の配慮で声を出すまいとしていた。つき上げて来る焦燥の感覚に 抗って、ただ夢中で何度も大きく空気を吸いこんだ。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 ページ位置:1% 作品を確認(amazon)
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不安になる
心臓が苦しい
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前後の文章を含んだ引用
......のだった。それは私の性にも合っていた。私生活でも予感に頼るというところはなかった。 だから予感というものに馴れていなかったし、大体それを予感とも思わなかった。 それは──昼下り、突然やって来た。 うとうとしていた私を、いきなり鞭打ったのだ。 胃のあたりに第一撃があり、たちまち胸の方にこみ上げる不安のようなものにあえいで目を開けると、その訳の分らないさしせまった感覚はすでに全身を圧倒して、私は大きく口をひらいていた。咄嗟の配慮で声を出すまいとしていた。つき上げて来る焦燥の感覚に抗って、ただ夢中で何度も大きく空気を吸いこんだ。 夢だ。なにか夢を見ていたのだ。しかし、夢を見ていたという感じはなく、意味のつかめぬ緊迫感で身体中が湧き立ち、動悸が激しく、心臓神経症というような言葉も横切り、......
単語の意味
焦燥(しょうそう)
配慮(はいりょ)
圧倒(あっとう)
胸(むね)
焦燥・・・苛立ち。焦り。イライラすること。
配慮・・・相手の気持ちを考えて、いろいろと気を配る。心遣い。心配り。
圧倒・・・ひときわ優れた力を持っていること。他よりとても勝っていること。また、その力で相手を押さえつけること。
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(突然心臓が苦しい)しかしまた強い緊迫感が大きな波となってこみ上げ、私はそれを押しとどめようとして息を止めた。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
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「不安」の言葉を含む恐怖の表現・描写・類語(健康・体調・病気のカテゴリ)の一覧 ランダム5
富豪の邸宅の留守中に上り込んでいるような不安で空虚なものが心にかげって来る。
林 芙美子 / 浮雲 amazon
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疑いが、蛇のように私の胸の中で頭をもたげた。
伊藤 整 / 火の鳥 (1958年) amazon
彼は自分の胸の 動悸 を聞いた。
志賀 直哉 / 真鶴「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
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ほとんどまばたきするほどの時間だったが、停止したフィルムの場面の中にいるような気がする
灰谷 健次郎 / 太陽の子 amazon
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生理痛で、立っているのがやっとだった
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
大きな、まるで暗い不思議な花のような病竃(びょうそう)
堀 辰雄 / 風立ちぬ amazon
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