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「貴様等はぬすっとうか」と主人は尋問した。大気燄 である。奥歯で囓 み潰 した癇癪玉 が炎となって鼻の穴から抜けるので、小鼻が、いちじるしく怒 って見える。越後獅子 の鼻は人間が怒 った時の恰好 を形 どって作ったものであろう。
夏目漱石 / 吾輩は猫である ページ位置:63% 作品を確認(青空文庫)
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怒りの表情
勢い・威勢・活発さ
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前後の文章を含んだ引用
......も行きそうな風体 に見える。彼等は主人の前にならんだぎり黙然 として一言 も発しない。主人も口を開 かない。しばらくの間双方共睨 めくらをしているなかにちょっと殺気がある。 「貴様等はぬすっとうか」と主人は尋問した。大気燄 である。奥歯で囓 み潰 した癇癪玉 が炎となって鼻の穴から抜けるので、小鼻が、いちじるしく怒 って見える。越後獅子 の鼻は人間が怒 った時の恰好 を形 どって作ったものであろう。それでなくてはあんなに恐しく出来るものではない。 「いえ泥棒ではありません。落雲館の生徒です」 「うそをつけ。落雲館の生徒が無断で人の庭宅に侵入する奴があるか」......
単語の意味
癇癪(かんしゃく)
小鼻(こばな)
癇癪・・・怒りっぽい性格。また、その怒り。
小鼻・・・鼻の穴の外側の丸くふくらんでいる部分。鼻柱の左右のふくらみのところ。鼻翼(びよく)。
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眉根を寄せて困惑した表情を見せている
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
何かがあって顔をしかめると、青豆(人名)のそんなクールな顔立ちは、劇的なまでに一変した。顔の筋肉が思い思いの方向に力強くひきつり、造作の左右のいびつさが極端なまでに強調され、あちこちに深いしわが寄り、目が素早く奥にひっこみ、鼻と口が暴力的に歪み、顎がよじれ、唇がまくれあがって白い大きな歯がむき出しになった。そしてまるでとめていた紐が切れて仮面がはがれ落ちたみたいに、彼女はあっという間にまったくの別人になった。それを目にした相手は、そのすさまじい変容ぶりに肝を潰した。それは大いなる無名性から息を呑む深淵への、驚くべき跳躍だった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
無理矢理に微笑を作ろうとしたが、微笑のかわりに、心ならずもひとすじの白い 泪 が眼からあふれ、泪は司祭の頰をゆっくり流れた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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面白半分に、釣り糸を垂れてみたら、ぞっとするほど魚が食いついてきて、自分が水中に引きずり込まれる。そういう恐怖を感じた。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
初回原稿は、第二社会面に回されて惨めな姿を晒していた。《…略…》今さら一面に復活させることもできない。連載企画は、いわば「死産」してしまったようなものだった
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
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