どうでもよくなって、彼の顔が三割増しに粗く見える。ニのよく動く口が伸びちぢみする輪ゴム程度にしか見えない。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ ページ位置:36% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
興ざめ・白ける
口の動き・状態
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......ニはあまりかみ合わないけれど、イチと私よりもニと私の方が、どこかずっと近しい。 となりのニを見つめると、私の視界は正直だ、イチと再会してからは前よりもさらにニがどうでもよくなって、彼の顔が三割増しに粗く見える。ニのよく動く口が伸びちぢみする輪ゴム程度にしか見えない。「今日ずっと別のこと考えてただろ。なにかあったの」「ううん」「あのさ。そろそろ告白の返事聞かせてよ。あれからもうだいぶ経っただろ」「ごめんなさい、まだ決心がつか......
単語の意味
縮(ちぢみ)
縮・・・縮織(ちぢみおり)の略。表面に小じわを出した織物。涼しげな盛夏用の着物を作ることができる。織物。
ここに意味を表示
興ざめ・白けるの表現・描写・類語(嫌いのカテゴリ)の一覧 ランダム5
熱狂はみるみる潮のように引いて
福永 武彦 / 草の花 amazon
恋愛の雰囲気のなかに、なにが不調和だといって、およそ金銭の話に超すものはあるまい。それは朝の礼拝堂に糞尿の気が流れて来たよりも、もっと興ざめなことに違いない。
岩田 豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
口の動き・状態の表現・描写・類語(口・顎のカテゴリ)の一覧 ランダム5
猿のような口つきでりんごをかじる
住井 すゑ / 夜あけ朝あけ amazon
パクパクと酸素が足りぬ金魚のように口を動かす
北 杜夫 / さびしい乞食 amazon
このカテゴリを全部見る
嫌いの比喩表現の例文 一覧 ランダム5
深夜の便器のような長嘆息
開高 健 / 飽満の種子「珠玉・花終る闇 (開高健全集)」に収録 amazon
褌(ふんどし)のようにバカ長い嘆息を洩らさざるを得なかった。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
知らぬうちに零した溜め息が足元に積もっているように感じ、足が抜けなくなるのではと不安を覚える。
伊坂 幸太郎 / アイネクライネナハトムジーク amazon
このカテゴリを全部見る
退屈の比喩表現の例文 一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
口・顎の比喩表現の例文 一覧 ランダム5
微笑は霧のようなものに変り
安部 公房 / 他人の顔 amazon
風の中で、時間が止まったようにそうして微笑んで
吉本 ばなな / 哀しい予感 amazon
女面のようなほのかな笑いが漂っていた。
円地 文子 / 女坂 amazon
このカテゴリを全部見る
「口・顎」カテゴリからランダム5
仏像のような静かな微笑み
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
「嫌い」カテゴリからランダム5
翻弄されているような気がした。鼻先を爪ではじかれたような思いだった。
槇村 浩 / 愛の歌「間島パルチザンの歌―槇村浩詩集 (1964年)」に収録 amazon
「退屈」カテゴリからランダム5
西嶋の発言は、女性陣の士気を、ずいぶんと下げた。合コンの雰囲気を海だとするならば、鳥井や長谷川さんが苦労して、波を起こし、砂浜近くにまで海面を引き寄せていたのに、西嶋の、「歴史を変えようがとにかく抗生物質をばんばん使えばいいじゃんか」論が、一息に台無しにした。水の枯れた地面を指し、「ここは昔、海だったのです」と懐古するように、僕たちの座卓に対して、「こう見えても、この合コンも昔は盛り上がっていたのです」と懐かしむこともできるくらいだ。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
睡魔が急に脳味噌を蕩(とろ)かすように襲ってくる
阿刀田 高 / ナポレオン狂 amazon
同じカテゴリの表現一覧
口・顎 の表現の一覧
嫌い の表現の一覧
退屈 の表現の一覧
退屈の感覚、精神的な反応
退屈の表情、リアクション
その他の退屈の表現
人物表現 大カテゴリ