彼の自分と違うところを愛し、彼の自分と違うところにさびしさを感じる。彼の一つ一つに胸が高鳴り、同時にしめつけられる。
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 ページ位置:9% 作品を確認(amazon)
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愛する・愛情
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前後の文章を含んだ引用
......な丸い形をした果実が手のなかに残る。白い繊維まで一筋も残さずに剝ぎ取られた実は、薄皮の下の果肉が透けて見えるほどの丸裸になって、痛々しい。そういうところが好き。彼の自分と違うところを愛し、彼の自分と違うところにさびしさを感じる。彼の一つ一つに胸が高鳴り、同時にしめつけられる。私がかぶりついて手も口もべとべとにしながら食べるのに対して、絃は一房ひとふさの薄皮を丁寧に剝がしてから、口にほうりこむ。手も唇もほとんどぬれない。 生活のこまご......
単語の意味
胸(むね)
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己の袈裟に対する愛なるものも、実はこの欲望を美しくした、感傷的な心もちに過ぎなかった。
芥川龍之介 / 袈裟と盛遠
子供をその温かい愛の翅(はね)で包むことが出来た。
加能 作次郎 / 世の中へ amazon
葉子は倉地の中にすっかりとけ込んだ自分を見いだす
有島武郎 / 或る女
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(女を)裸にして体を開かせ、そのあたたかみの中に身を沈めたいという激しい欲望
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
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胸に触れる。和服が、もどかしいというように私の手が荒く動く
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
芋虫か何かのように、ベッドの上で動いている二人
庄野 潤三 / 鳥の水浴び amazon
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