日頃尊敬していた男が暴力に逢うとどんな態度をとるものかと、ユダのような好奇心が湧く

僕たちはいつも強い好奇心で、その人の謙遜な身なりを嗅ぎ、その人の謙遜な話に聞き惚れた。

知らないことは知りたい。そう思う。じりじりするほどそう思う。

偶然に不思議を見つけた子供のような好奇なあきれた顔つき

財前のこたえが水原の興味を引いたらしいことは、表情でわかる。

愛子は黙ってしまった。この沈黙は愛子の隠れ家（が）だった。

（隠し事がばれない）きっといつか、すべてを蒔野が知る時が来る。その恐ろしい不安は消えることがなかったが、一月経っても、二月経っても何事も起きず、彼女は、自分の罪が、知らぬ間に、もう半ば〝なかったこと〟になりつつあるのを知った。誰も気づかなかった。そして、これからももう気づかれることはないだろう。そう考えて、彼女は罪悪感を横目で見つつ、やはり安堵の方に先に手を伸ばした。

重い秘密を背負わなければ

事実は一握りの人間のあいだだけの秘密として保たれる。

固くカギをしめて、心の奥に埋めておく。あたしの心が疼く。好奇心だ。カギを開けてのぞき見したいと疼く。

好奇心溢れる顔

太陽のように捕え得ず、しかも、四時明るく、暖かく、ふれる心を生かす愛

遠い昔のような、心もちがする。

心をくすぐる

こうして離れていてふと、私の知っている彼のいいところを思うと、あまりのすばらしさに胸が苦しくなる。その文章の才、礼儀正しさ、行動の大胆さ、おおらかさ、手の形、声の響き……等。 　そして悪いところやずるいところを考えると、あまりの憎しみに息が苦しくなる。私を旅に誘ったりする弱さ、妹の死に対するある種の冷酷さ、ろくに日本に帰らないくせに、来るとなると会いたがるずるさ……等。 　ほかの人にはこんなに感じないひとつひとつの感覚が活性化される。その振幅がそのままその人を思う心のベクトルの大きさだ。人間は苦しい。不完全なひとりが、不完全なひとりを思い丸ごとを受け入れようと苦しむ様は、なぜかそれぞれ胸のうちの 嵐 とは別のところで、ときどき妙に生き生きとしたあるひとつの像を結ぶ。 　人間がかろうじて日々を生きているわけみたいなもの。 　いちめんに咲いた桜並木みたいに大盤振る舞いの美しくやさしいエネルギー。 　たださらさらと花びらが散り、陽がさして風が吹き、はるか続く木々がいっせいに揺れて舞い狂うピンクとすきまの青空の甘い色に圧倒されて立ちつくす。知っている。一度しかなく、一瞬で終わる。でも自分がその一部に永遠に溶け込んでいる。ワンダフル、ブラボー！　そういう瞬間を、人は苦しんでも求める。

幼児のようにあどけない憧れ

食指が動く

心の中に何かがぽっと点火されたようなほの温かさ

遠くから親のような豊かな心で見守る

幼児のようにあどけない憧れ

固くカギをしめて、心の奥に埋めておく。あたしの心が疼く。好奇心だ。カギを開けてのぞき見したいと疼く。

愛の芽が須賀の中に芽ぶきはじめたのだ。

少年のように憧れを燃やす

昔、佐世保にいた頃、私はこの歌をきいた事がある。誘われるようななつかしさを感じる。

胸は張り膨らまって、木の根、岩角にも肉体をこすりつけたいような、現実と非現実の間のよれよれの肉情

ひたすら思慕の情が高ずる

知らぬ間に世間では、六星占術なる占いが一般常識レベルにまで浸透していた。

（流しの唄うたいの唄が流行る）その唄が時の巴里の物足りなく思っている感情の欠陥へこつりと嵌まり込めばたちまち巴里じゅうの口から口へ移されて三日目の晩にはもうアンピールあたりの一流の俗謡の唄い手がいろいろな替唄までこしらえて唄い流行（はや）らしてくれるし譜本は飛ぶように売れ始まる。

伝言ゲームの中で話が大きくなる

確かな情報筋から仕入れた話

多くの教え子を持つ師範としての像が泥まみれになる