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そこでは、いっさいの悪が、眼底を払って、消えてしまう。が、人間の悲しみだけは、――空をみたしている月の光のように、大きな人間の悲しみだけは、やはりさびしくおごそかに残っている。
芥川龍之介 / 偸盗 ページ位置:75% 作品を確認(青空文庫)
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わだかまり(もやもやした嫌な気分)
残る・余る
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前後の文章を含んだ引用
......つつながら夢を見た。人間の苦しみを忘れた、しかもまた人間の苦しみに色づけられた、うつくしく、いたましい夢である。(涙を知らないものの見る事ができる夢ではない。)そこでは、いっさいの悪が、眼底を払って、消えてしまう。が、人間の悲しみだけは、――空をみたしている月の光のように、大きな人間の悲しみだけは、やはりさびしくおごそかに残っている。…… なよや、末の松山 波も越えなむや 波も越えなむ 歌の声は、ともし火の光のように、次第に細りながら消えていった。そうして、それと共に、力のない呻吟 の声が、暗 を誘う......
単語の意味
眼底(がんてい)
厳か(おごそか)
眼底・・・眼球の奥の面。目玉の内部の後ろ側。網膜のある部分。
厳か・・・普段とは違うきちんとした雰囲気で、近寄りにくいさま。静かで落ちついていて、真剣にならずにいられない雰囲気があるさま。ふざけてはいけないような雰囲気。
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(余った冷蔵庫)嫁入り道具でもあった冷蔵庫は、この新居に来てからはダイニングテーブルの脇に置かれ、もっぱら飲み物や冷凍食品などをストックするサブ的な役割に甘んじている。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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べては失われてしまったものなのだと僕は考えるようにつとめた。すべては失われたものだし、失われつづけるべき筋あいのものなのだ。損われてしまったものをもとどおりにすることは誰にもできない。地球はそのために太陽のまわりを回転しつづけているのだ。 僕に必要なのは結局はリアリティーなのだと僕は思った。地球が太陽のまわりを回転し、月が地球のまわりを回転している、といったタイプのリアリティーだ。
村上春樹 / 双子と沈んだ大陸「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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(夜に安心する)備校の自習室を出て、あっというまに夜になっていることに、私はほんとうは安心している。大学生になることに成功した人たちがシャキシャキと消費する昼間の空気に触れなくて済んだことに、毎日、ほっと安心する。
朝井 リョウ / もういちど生まれる「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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(階段の)下から吹き上げてくる風が水島の髪を逆立て、十和子のスカーフを舞い上がらせる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
季節の変わり目のように厳粛な事実
竹西 寛子 / ひとつとや amazon
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