地下鉄が外に出た。千代田線は地上に上がる。「ぷはあ」と久遠は地下の息苦しさを吐き出した。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 ページ位置:33% 作品を確認(amazon)
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地下鉄
地下室・地階
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前後の文章を含んだ引用
......員で、外にいるのは僕だけってわけ」 そういう屁理屈にもならない話を偉そうに喋り、人を煙に巻いてしまうところは、響野さんにも通じるところがあるな、と久遠は思う。 地下鉄が外に出た。千代田線は地上に上がる。「ぷはあ」と久遠は地下の息苦しさを吐き出した。 赤ん坊が泣いていることに気がつく。車両の一番端のほうだった。車内に反響するくらいの声で、周囲の乗客も顔をしかめている。神経に障る泣き声ではあったが、誰も怒るわ......
単語の意味
息苦しい(いきぐるしい)
久遠(くおん・きゅうえん)
千代・千世(ちよ)
息苦しい・・・1.息をするのが苦しい。呼吸が苦しい。胸に圧迫感があって息が詰まるような感じである。
2.胸を圧迫されるような、重苦しい感じの雰囲気だ。緊張した空気が漂っていて、軽々しい言動などできそうもない雰囲気だ。
2.胸を圧迫されるような、重苦しい感じの雰囲気だ。緊張した空気が漂っていて、軽々しい言動などできそうもない雰囲気だ。
久遠・・・久しく遠いこと。ある状態が果てしなく続くこと。物事が変化しないこと。永遠。
千代・千世・・・千年。非常に長い年月のたとえ。千歳(ちとせ・せんざい)。「代」も「世」も「ある期間」を意味する字。
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地下鉄の表現・描写・類語(乗り物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
地下の闇にレールの軋む音が轟き、対向車両と擦れ違う際には、軽い衝撃が人々の肩を揺すった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
地下鉄が無数に通る東京の地盤がすかすかだとすれば、軽くゆさぶってやるだけで、ずさんに作られたアリの巣のように、ごそっと地面が陥没するのではないだろうか。
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
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地下室・地階の表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
この地階はいったい地下何階にあたるのだろうか。少なくとも四階や五階ではない。もっと深い谷底の如き階だ。
筒井 康隆 / 夢の木坂分岐点 amazon
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「室内のようす」カテゴリからランダム5
八十平方メートルの結界の内側で、(帰りを待っている)
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
古いお店によくある普通のトイレ
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 amazon
ニの部屋はものが少なくきちんと片付いている。おしゃれなインテリアは皆無で、では無機質な部屋かといえばそうではなくて、たとえるなら妻に先立たれて一人でなんでもできるようになったおじいちゃんの部屋、もしくは入所十年目の模範囚の部屋といった感じだ。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
監獄の入口かと思われる物々しい、鉄張りの扉
夢野久作 / ドグラ・マグラ
「乗り物」カテゴリからランダム5
一見するとアパート風の建物のようで船とも見えなかった。
牧野 信一 / 淡雪 amazon
汽笛が乳色の朝靄を縫うようにして長々と響きわたる
久間 十義 / ヤポニカ・タペストリー amazon
二三回乗っているうちにペタルが足について来て、するするとハンドルでかじが取れるようになった。
林芙美子 / 新版 放浪記
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