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その頃の性欲、後ろめたさ、達成感、重荷が、食事をしはじめると、ゆっくりよみがえるのが分った。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 ページ位置:27% 作品を確認(amazon)
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失われた記憶がよみがえる
フラッシュバック・走馬灯のように蘇る記憶
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前後の文章を含んだ引用
......が、どこかで再体験をしているような気分があった。 三十七歳から九歳にかけて、四谷の設計事務所の二十六から八歳にかけての女と関係し、それが私の唯一の情事だった。 その頃の性欲、後ろめたさ、達成感、重荷が、食事をしはじめると、ゆっくりよみがえるのが分った。 しかしそれはノスタルジイにくるまれて生々しくはなく、ただ女へ傾斜する気持のあと押しをするというように思い出された。 ほの暗い灯りの中でメニューを見る女は、かつ......
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失われた記憶がよみがえるの表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
記憶していたことさえ知らずにいたある記憶が、意識の底の暗闇から遊離してゆっくりと浮かび上がってくる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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フラッシュバック・走馬灯のように蘇る記憶の表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
身体の内側が外側にめくれ返っていくような特異な感覚に襲われる。するとあの路地のにおいがする。埃っぽいアスファルトのにおい、下水のにおい、ひねこびた植物と土のにおい、猫の尿のにおい。ピアスを最後につけたあの最後の夜のにおいが、部屋にこびりついた煙草のにおいと陣治の体臭をつきぬけて十和子の鼻孔に届く。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(恋人の言葉を聞いて、忘れられない昔の恋人の言った言葉がよみがえる)「仕事だけじゃなくて、何もかも最初から、まっさらのところからやり直したいんだ。一生に一度くらい、自分にそんな我儘を許してやってもいいかなって」 気味悪いくらい自然に、そのとき耳の奥にもう一人の男の軽やかな声が聞こえる。 〈誰でも一度や二度は人生のリセットボタンを押してみたくなるものさ。僕みたいにほんとうに押しちまう奴ってのも案外少ないみたいだけどね〉 元町かどこかのバーで、飲んでも飲んでも崩れない横顔を見せてそう言った黒崎、消えた男、壊れてしまった十和子の腕時計――。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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天吾は息を止め、こめかみに指を当てて記憶をより深いところまでのぞき込もうとした。その今にも切れてしまいそうな意識の細い糸をたどっていった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
原野の風が千里を走るように(、遠く離れた故郷を想う)
本庄 陸男 / 石狩川〈上〉 amazon
ある光景が蘇ったのはそのときだった。あまりにも一瞬のことで、今、蘇ったどこかの光景が、いったいいつの、どこで見た光景なのか、分からないほどだった。光代は思わず目を閉じて、一瞬蘇った光景を再現した。必死に目を閉じていると、またぼんやりと、その光景が浮かび上がってくる。 どこ? ここ、どこ? 光代は目を閉じたまま、心の中で呟いた。ただ、浮かび上がってきた光景は一枚の写真のように、いくら別の場所を見ようとしても、それ以上に広がらない。 目の前に若い女の子が二人立っている。こちらに背を向けて、楽しそうに笑い合っている。その向こうには年配の女性の背中が見える。女性は壁に向かって何か話している。いや、違う。壁じゃなくて、どこかの窓口。透明のボードの向こうで切符を売る男性の顔がある。 どこ? どこ? 光代はまた心の中で呟いた。必死に目を閉じると、窓口の上に貼られた路線図が見える。 「あ!」 光代は思わず声を上げそうになった。見えたのは、バスの路線図だった。自分が立っている場所は、佐賀と博多を結ぶ長距離バスの切符売り場だったのだ。 それが分かった瞬間、静止していた光景がとつぜん音と共に動き出す。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
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