路上を帰って行く足音を、武内は何かゼンマイのほどけつつある音として聞きいっていた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 ページ位置:28% 作品を確認(amazon)
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足音・靴音
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前後の文章を含んだ引用
......たいわ。もう寝て寝て、寝たおしたるぞォ」 背広のポケットというポケットにねじ込んだ金の束を、吉岡は一本しかない腕で叩いてみせた。吉岡が玄関の戸を閉めて、千日前の路上を帰って行く足音を、武内は何かゼンマイのほどけつつある音として聞きいっていた。 それまでずっと視線を合わそうとしなかった鈴子が、やっと顔をあげたので、武内も改めて目を向けた。そして、はっとした。鈴子はやつれていたが、美しくなっていた。武内......
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足音・靴音の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
ゴム底の靴音が、吸いつくような音をたて
安部 公房 / 第四間氷期 amazon
コンクリートの通路に足音が大きく響く。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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「音の響き」カテゴリからランダム5
耳の破れるような音響
吉川英治 / 銀河まつり
曲りくねった一株の松が、こうこうと夜風に鳴る音だけ
芥川龍之介 / 杜子春
裸木の枝に裂かれる風の音だけが耳につく。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
「歩く・歩き方」カテゴリからランダム5
桜の花びらがいちめんに散りしいていて、踏むのも惜しいような気持ちでそっと歩く
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
やけに気取った、一昔前の映画に出てくるようななりをして街を歩く
大庭 みな子 / がらくた博物館 amazon
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