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何処 までが海でどこから夜の 闇 かわかりませぬ。どこに島があるのか見わけもつきませぬ。ただ、うしろで舟を 漕いでいる若者の息づかい、きいきいと鳴る 櫂 の音、舟ばたにぶつかる波の音で自分が今、海にいるのだと感じました。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:29% 作品を確認(amazon)
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夜の海
船を漕ぐ(パドル・オール・櫓)
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前後の文章を含んだ引用
......からの報告がもはや、途絶えたとしても二人が必ずしも死んだとは思わないで下さい。この荒廃した土地にただ一つ、小さいながらも耕すべき鍬を残さねばならぬゆえに……。 何処までが海でどこから夜の闇かわかりませぬ。どこに島があるのか見わけもつきませぬ。ただ、うしろで舟を漕いでいる若者の息づかい、きいきいと鳴る櫂の音、舟ばたにぶつかる波の音で自分が今、海にいるのだと感じました。 一時間前にガルペと別れました。二人とも別々の小舟に乗せられてトモギを出たのですが、彼の舟は櫂の音を軋ませながら、しずかに平戸の方に去っていきました。闇の中では......
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夜の海の表現・描写・類語(水面・水中・水辺のカテゴリ)の一覧 ランダム5
夜の海は昼と迫力がまるっきり違う。ぼんやりと暗い浜から、波音が押してくるように巨大に響く。黒い島影が 闇 に浮かび、潮風は夜の香りを含んで吹き渡る。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
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船を漕ぐ(パドル・オール・櫓)の表現・描写・類語(乗り物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
月のない真暗な海を、 櫂 の 軋んだ音だけが、規則ただしくひびきます。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
ややともすると、舳 を岸に向けようとする船の中からは、長い竿 が水の中に幾本も突き込まれる。船はやむを得ずまた立ち直って沖を目ざす。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
老人は緩慢な動作で 櫓 を操り、舟を近づける。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
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「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
小さな波が水際を弄んでいるらしく、長い線が白刃のように光っては消える
国木田 独歩 / 武蔵野 amazon
(闇の中で)そこだけ白く光っている海
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
百匹の大蛇のようにのた打ち荒れ狂う浪
太宰治 / 走れメロス
「乗り物」カテゴリからランダム5
神戸のほうからやって来た電車が架線に青い火花をたてていた。火花は猛烈なスピードで武内の前を過ぎ去って行った。夜の 虚空 を飛んで行くそのひんやりした閃光を見たとき、武内は鈴子に逢おうと思った。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
滑らかなアスファルトの上を新しいタイヤがスムーズに転がる。
羽田 圭介「ミート・ザ・ビート (文春文庫)」に収録 amazon
ごうごうと電車の音ばかり。四方八方電車の唸りだ。
林芙美子 / 新版 放浪記
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