夜はもう遅いらしく、月が出ていた。弱い斜めの光が、海面を銀に光らせていた。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:42% 作品を確認(amazon)
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夜の海
月の光・月明かり
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前後の文章を含んだ引用
......って哀愁だけを残した、あの聞き馴れた比島の歌であって、若い女声であった。私は身をもたげた。夢ではなく、声は光線のようにはっきりと、海に向いた窓から入って来た。 夜はもう遅いらしく、月が出ていた。弱い斜めの光が、海面を銀に光らせていた。一隻のバンカーが光の上に黒く動いていた。二人の人間が乗っていた。 男が舳に坐り、女が櫂を持って、漕ぎながら歌っていた。歌声は平らな海面に柔らげられ、優しくうるん......
単語の意味
銀(ぎん)
銀・・・1.金属元素のひとつ。元素記号Ag、原子番号47。金よりわずかに軽く、白く光って美しい艶(つや)をもつ金属。金属中最も熱と電気の伝導性が高い。空気中では酸化しないが、硫黄の化合物にあうと黒色に変わる。
2.銀メダルの略。
3.銀色の略。しろがね色。
4.将棋の、銀将の略。
2.銀メダルの略。
3.銀色の略。しろがね色。
4.将棋の、銀将の略。
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海はつるつるに光って、まるで舞台のセットの上の1枚の黒い布が滑らかに揺れているみたいに見えた。微妙に違う色の空との継ぎ目も、いきいきとはためくパッチワークのように見えた。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
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海で泳ぐものは一人もない。波の間に枕などが浮いていると恐ろしいもののような気がした。
梶井基次郎 / 海 断片
自分が近づけば、水の面が小砂を投げたように痺れを打つ。
鈴木 三重吉 / 千鳥 amazon
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