もうげっそり頬もこけてしまって、身動きもできなくなり、二三日のうちにははや褥瘡 のようなものまでができかかって来るという弱り方であった。
梶井基次郎 / のんきな患者 ページ位置:3% 作品を確認(青空文庫)
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患者・病人・けが人
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前後の文章を含んだ引用
......頼もうかと思ってはむだに辛抱をしたり、いつまでもひどい息切れを冒しては便所へ通ったり、そんな本能的な受身なことばかりやっていた。そしてやっと医者を迎えた頃には、もうげっそり頬もこけてしまって、身動きもできなくなり、二三日のうちにははや褥瘡 のようなものまでができかかって来るという弱り方であった。ある日はしきりに「こうっと」「こうっと」というようなことをほとんど一日言っている。かと思うと「不安や」「不安や」と弱々しい声を出して訴えることもある。そういうと......
単語の意味
床擦れ(とこずれ)
頬(ほお・ほほ)
床擦れ・・・体の同じ箇所に一定以上の圧力が継続的に加わることで、血流が悪くなり、皮膚やその下にある組織が死んでしまう外傷。病気や怪我などで長く寝たきりの状態が続くと起こりやすい。褥瘡(じゅくそう)。
頬・・・顔の一部。顔の両脇で、口の真横にあるやわらかい部分。ほっぺ。ほっぺた。
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