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店々の灯もあらかた消えた舗道には、野良猫が群れていた。
浅田次郎 / 角筈にて「鉄道員（ぽっぽや） (集英社文庫)」に収録 ページ位置：31% 作品を確認（amazon）
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深夜
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......「最終でえす――ぼく、最終よ。いいの？」 折り畳みのドアを引きかけながら、車掌が身を乗り出して訊ねた。バスに乗る前に、恭一はもういちど角筈の街頭を振り返った。 店々の灯もあらかた消えた舗道には、野良猫が群れていた。 淀橋の親類の家は風呂桶の職人だった。 バス停には伯母が迎えにきていた。父の電話があってから、二時間もそこに待っていたのだと伯母は言った。「ごめんなさい、おばさ......
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