(着物の)生地は紋綸子 の黒地を、ほとんど黒地を覗かせないまで括 り染の雪の輪模様に、竹のむら垣を置縫いにして、友禅と置縫いで大胆な紅梅立木を全面に花咲かしている。
岡本かの子 / 河明り ページ位置:42% 作品を確認(青空文庫)
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布・生地
着物・和服姿
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前後の文章を含んだ引用
......膚を斜に見るまでもなく、これ等のすべてが婚礼支度であることは判 る。私はそれ等の布地を、転び倒れているものを労 り起すように 「まあ、まあ」と云って、取上げてみた。 生地は紋綸子 の黒地を、ほとんど黒地を覗かせないまで括 り染の雪の輪模様に、竹のむら垣を置縫いにして、友禅と置縫いで大胆な紅梅立木を全面に花咲かしている。私はすぐ傍にどしりと投げ皺 められて七宝配 りの箔が盛り上っている帯を掬 い上げながら、なお、お納戸色 の千羽鶴 の着物や、源氏あし手の着物にも気を散らされながら、着物と......
単語の意味
友禅(ゆうぜん)
垣(かき)
友禅・・・布に模様を染める技法のひとつ。草木・山水・花鳥などの模様を鮮やかに染め出したもの。また、友禅染(ゆうぜんぞめ)の略。
垣・・・自分の土地と他人の土地など、敷地を分けるため隔てる仕切りや囲い。垣根。塀。
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布・生地の表現・描写・類語(道具・家具のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ただの布という以外、どんな形容も思いつかなかった。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
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着物・和服姿の表現・描写・類語(服装・身なりのカテゴリ)の一覧 ランダム5
何度も水を潜って垢の噴き出たようなネルの単衣
林 芙美子 / 清貧の書 amazon
和服のえりをしどけなく合わせた胸許
石坂 洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
肩上げのとってない昔風な羽織
林芙美子 / 新版 放浪記
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うすら冷たい風に、メリンスの単衣 がよれよれになって寒そうだった。
林芙美子 / 新版 放浪記
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(天眼鏡でのぞくと、)面白いのは、綿ごみである。 羽織っていた女房の茶羽織の 袂 が、半分ひっくり返っていたのを直したときにつまみ上げ、食卓の上にのせて、 仔細 に眺めた。 袂の丸みそっくりの、薄くやわらかいフェルトに見えるが、天眼鏡でのぞくと、さまざまな色の繊維の寄り集りである。 どこからどうして入ったのか、何本かの毛髪らしいものが、一粒の仁丹と、一本の赤い絹糸をからめて半月型を形づくっている。 持ち上げるとこわれそうなねずみ色のそれは、間違って咲いたなにかの花のように見える。 楠は「ウドンゲ」の花というのは、こういうのではないかと思った。 印度 あたりの想像上の花で、たしか三千年に一度咲くという。吉兆とも、凶兆ともいわれている。 ねずみ色の、雲のような、鳥の巣のようなものは花弁である。銀色の小粒と赤い絹糸は、 雄蕊 と 雌蕊 に違いない。
向田邦子 / 耳「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
ガラス窓が十二月の風に磨いたように冷たく光っていた。
林芙美子 / 新版 放浪記
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