ポッカリと穴の開いたような感じ──そのうつろな感じがわたしを、すっかり打ち倒していました。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 ページ位置:46% 作品を確認(amazon)
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心にぽっかり穴があく
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前後の文章を含んだ引用
......がつきました。雑賀さんの奥さんの言ったことが本当だったのです。けれどもふしぎに怒りの気持も嫉妬の情も起きませんでした。女の生理を根こそぎにえぐりとられたあとの、ポッカリと穴の開いたような感じ──そのうつろな感じがわたしを、すっかり打ち倒していました。石女ならまだいい。いつかは手術によって母親になれるでしょうに。母性を奪られたわたしは生涯、片端の女として生きていかねばなりません。 退院した日、一か月ぶりで外に......
単語の意味
虚ろ・空ろ・洞ろ(うつろ)
虚ろ・空ろ・洞ろ・・・1.空洞(くうどう)。空っぽ。中身が何もないこと。
2.心が空っぽになり、生気がないさま。表情がボーっとして気持ちがないさま。
2.心が空っぽになり、生気がないさま。表情がボーっとして気持ちがないさま。
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隣室のにぎやかな茶碗の音、我に遠きものあり。
林芙美子 / 新版 放浪記
私は、まだこのひとと居たかった。このひとの持つ淋しさの層は、人類の歴史と同じくらい厚く、そこに吹く風は誰も振り向かなくなった墓石の上を渡って行くように寒々しかった。それでもそれが人間のもともと持っている淋しさによく似たエッセンスを持っているので、このひとと離れ難く、本当は淋しくて仕方ないのにないことにしてごまかした幾千もの夜の痛みが、一挙に吹き出してきた。そして、その洪水に押し流されないためには、このひとといるしかないように思えた。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
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