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(雪が降り積もる夜、病室にいる)街の音も病院の音も、全部雪に吸い込まれてしまって無音だった。この病室が時間からも場所からも切り取られて、宙に浮いているような気がした。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:98% 作品を確認(amazon)
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室内(空間)が静か
雪景色・銀世界
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前後の文章を含んだ引用
......。 わたしたちは無言でベッドに横になった。頬の感触でシーツの十分な清潔さが分った。その頬を彼の無防備な胸に押し当てると、たくましい腕がゆったりとわたしを覆った。街の音も病院の音も、全部雪に吸い込まれてしまって無音だった。この病室が時間からも場所からも切り取られて、宙に浮いているような気がした。 わたしはできるだけ自分を小さくして、彼の中にすっぽり収まろうとした。唇のすぐそばに、水滴のよく似合う、滑らかでしなやかな筋肉の隆起があった。舌をのばせばそれを......
単語の意味
無音(むおん・ぶいん)
無音・・・1.(「むおん」と読んで)音がしないこと。また、音が一切聞こえないこと。
2.(「ぶいん」と読んで)挨拶するのが適切であるのに、挨拶のないこと。また、しばらく便りをしないこと。音信が途絶えること。(ご)無沙汰(ぶさた)。
2.(「ぶいん」と読んで)挨拶するのが適切であるのに、挨拶のないこと。また、しばらく便りをしないこと。音信が途絶えること。(ご)無沙汰(ぶさた)。
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室内(空間)が静かの表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
大広間は森のように静かになった。
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
礼拝がすんだあとの教会のように静まりかえっている
小川 洋子 / 余白の愛 amazon
茶の間はみじんこが沈むようにぴったりと静まる。
幸田 文 / 流れる amazon
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夢の中にでもいるように、雪明かりが物の形を朧げに浮かび上がらせる
福永 武彦 / 風のかたみ amazon
まだ誰の足跡もついてない、無傷の白さがキラキラ水晶みたいに光ってたの。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
真白な雪の上に映え、たち並ぶ家々の軒並がくっきり影絵のように浮かび上っていた。
山崎 豊子 / 暖簾 amazon
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「雪・霜・あられ」カテゴリからランダム5
雪の上を歩くとキュッキュッと澱粉を踏んだような音がする
三浦綾子 / 石の森 amazon
雪に吸いとられた音という音が、そこらに潜んででもいるかのような静けさ
飯田 栄彦 / 昔、そこに森があった amazon
だんだん霜は鋭くなってきた。
梶井基次郎 / 冬の日
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トタン屋根にそうぞうしくあたる雨脚
林芙美子 / 新版 放浪記
夫が雛鳥みたいに騒がしい
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
外の騒ぎが、祭りに興じる見物人たちのどよめきのように聞こえる
藤本 義一 / やさぐれ刑事 amazon
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