頭まですっぽり蒲団をかぶって目を見開いていた。屋根の雪が少し滑り落ちていった。誰かの足音が路地から川べりへと移っていき、やがて聞こえなくなった。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 ページ位置:10% 作品を確認(amazon)
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就寝前に聞こえる音
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......さんはまた癇癪起こして怒鳴りちらすから……」 入れ歯をハンカチで包むと、千代はそのままそこにじっと坐っていた。竜夫は自分の部屋に入り、蒲団を敷いてもぐり込んだ。頭まですっぽり蒲団をかぶって目を見開いていた。屋根の雪が少し滑り落ちていった。誰かの足音が路地から川べりへと移っていき、やがて聞こえなくなった。 蒲団の中の暗闇に、英子の横顔が浮かびあがるようになってもう一年がたつ。幼な馴染みで、小学生のころはよく一緒に遊んだものだったが、中学に入った途端、急に口もきか......
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就寝前に聞こえる音の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
夜、寝てしまうのがおしくて、暗い部屋の中でじっと眼を開けていると、溝 の処だろう虫が鳴いている。
林芙美子 / 新版 放浪記
私は哲生のたてる物音を子守歌のように頼もしく感じて眠りについた。
吉本 ばなな / 哀しい予感 amazon
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「音の響き」カテゴリからランダム5
ラッパのさきは、朝顔のように口がひらいていた。
庄野 英二 / 星の牧場 amazon
左右の耳をはすに切って、息を凝 らす。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
「睡眠・眠る・寝る」カテゴリからランダム5
疲れ果て、泥のような眠りに落ちていた。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
しっとり寝たりほんのり起きたりのくりかえし。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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