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(広い庭を)遊覧の人々は、三々五々小径 を設計の模様に従って歩き廻り、眺め廻っていた。僅かに得た人生の須臾 の間の安らかな時間を、ひたすら受け容 れようとして、日常の生活意識を杜絶 した人々がみんな蝶にも見える。
岡本かの子 / 母子叙情 ページ位置:94% 作品を確認(青空文庫)
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散歩
庭・縁側・ベランダ
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前後の文章を含んだ引用
......渦紋のようにも見えた。傾斜の末に、青木に囲まれて瀟洒 なイエナ橋が可愛 らしく架っている。ここから正面に見るエッフェル塔はあまりに大きい。 暮れるのを惜しむように、遊覧の人々は、三々五々小径 を設計の模様に従って歩き廻り、眺め廻っていた。僅かに得た人生の須臾 の間の安らかな時間を、ひたすら受け容 れようとして、日常の生活意識を杜絶 した人々がみんな蝶にも見える。子供にも見える。そして事実子供も随分多い。西洋の子供からあんまり泣き声が聞えない。 かの女は花壇の縁に腰を下ろして、いつまでもいつまでもぼんやりしている。後から......
単語の意味
遊覧(ゆうらん)
蝶(ちょう)
須臾(しゅゆ)
暫く・姑く・須臾(しばらく)
遊覧・・・あちこち見物して回ること。
蝶・・・1.鱗翅目(りんしもく[=ガやチョウなど])の昆虫でガ以外のものを総称。四枚の大きな羽を羽ばたかせひらひらと昼間に飛ぶ。止まった時の羽を直立して閉じる、口先がらせん状になっているなどガと区別する。ただし、生物学的には明確な違いはない。主に昼間活動する。ひらひらと飛ぶ様子は死者の魂に結び付けられることもある。古名で「かわひらこ」という。
2.紋所の名。1の蝶をかたどったもの。
2.紋所の名。1の蝶をかたどったもの。
須臾・・・1.わずかな時間。ほんの短い間。「須」も「臾」も「きわめて短い時間」を意味する字。「須臾」は訓読みで「しばらく」とも読める。
2.数の単位のひとつ。逡巡(しゅんじゅん)の10分の1。瞬息(しゅんそく)の10倍。
2.数の単位のひとつ。逡巡(しゅんじゅん)の10分の1。瞬息(しゅんそく)の10倍。
暫く・姑く・須臾・・・1.長いと感じるほどではないが、すぐともいえないほどの時間。ちょっとの間。一時的。
2.ちょっと待った!
2.ちょっと待った!
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ぶらりと外へ出た。珍しく着流しに草履ばきで、日蔭を拾った。
吉川英治 / 銀河まつり
どれくらいの時間をかけてどれくらいの距離を歩いたのか、僕にはわからなかった。
村上春樹 / 双子と沈んだ大陸「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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リビングの静けさを背負ったベランダ
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
何かの役には立つかもしれないといった程度の狭い庭
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
山と谷とを利用して造られた庭園の美しさ
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
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ナスは、おどろいたことに、小さい小さい鉢で作ったのに、八百屋さんで売っているナスより大きくみずみずしいのができた。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
若葉ちゃんの家は、紅茶と玄関のラベンダーの匂いが微かにして、家の匂いしかしない私や信子ちゃんの家とは、少し違うという感じがする。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
電灯がゆれるたびに彼等の背をまげた見すぼらしい影が壁に動いた。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
(朝日にさらされた犬の置物)光とほこりの 匂いの中で犬は、まるで雪景色の中にいるように清らかに見えた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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暗がりをかき乱さないようそろそろと歩いた。君が発するのは、丸みを帯びた敷石の表面を靴底が撫でる気配だけだった。
小川 洋子 / 乳歯「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
暗殺者が凶行に及ぶ瞬間みたいに、凄い勢いで走っていく
田辺 聖子 / 休暇は終った amazon
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