(鳩の雛の死骸)異臭を放ち始めている黄色い肉塊
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 ページ位置:60% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
死人・遺体
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......と雛の死骸を信雄の鼻先に突きつけた。「この子は! こんな気色悪いもんをポケットに入れて。……お母ちゃん、心臓が止まりそうになったでェ」 晋平も顔をしかめながら、異臭を放ち始めている黄色い肉塊を覗き込んだ。「何やこれ!」「鳩の雛や」 信雄は小声でそう答えた。「鳩の雛……?」 貞子は気味悪そうに雛の死骸を指先でつまみ、窓から川へ放り投げた。「こんどから......
単語の意味
肉塊(にくかい・にっかい)
肉塊・・・肉のかたまり。
ここに意味を表示
死人・遺体の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(生きていたときのような華やかさは無く、)彼女は凍りついた無感動とでもいったようなものを身に纏っているだけだった。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
この無残にも形を失った顔は、まるで死がこの上を兇暴な力をふるいながら嵐のように通り去り、荒井幸夫のなかに動いていた生命を 生 胆 を抜くかのようにひっさらって行ってしまったという風に見える。
野間宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
(死後の肉体の変化が描かれた絵)皆殆ど同じ姿勢の寝姿で、只違うのは、初めから終りへかけて姿が変って行っている事である。 すなわち巻頭の第一番に現われて私を驚かした絵は、死んでから間もないらしい雪白 の肌で、頬や耳には臙脂 の色がなまめかしく浮かんでいる。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
このカテゴリを全部見る
「人の印象」カテゴリからランダム5
(侵入者の気配に気づく)二人が音も立てずに靴を脱いだ時、急に濃度の上がった空気に息苦しさを感じて目を覚ましたのだ。彼は、甘く重苦しい空気が垂れ幕のように胸に覆い被さるのに我慢できずに、水を飲もうと起き上がった。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
食堂はもう長い間使われていないらしく、あらゆるものがきれいに乾燥しきっていた。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
「生と死」カテゴリからランダム5
やり残したことの多い、あまりに唐突な死だった。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
人の印象 の表現の一覧
生と死 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ