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眼の前のほのぐらい空間の一点に眼を据えて、何事か考え込んでいた。
野間宏 / 第三十六号「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 ページ位置:82% 作品を確認(amazon)
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考える・頭を回転させる
一点を見つめる
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前後の文章を含んだ引用
......は第百一号が足を座席の下に引き、長い顎を右の方に延して窓の外の暮色に眼を向けていた。第三十六号は、その右隣に、手錠のはまった両手を上衣の下に引き入れ、肩をすぼめ眼の前のほのぐらい空間の一点に眼を据えて、何事か考え込んでいた。 闇のまといついたその顔は、大きく開かれ動くことなくその大きさをいつまでも保っている眼だけを残して、ぼんやりした輪郭をくらい車内の空気の中に浮かべている。がやが......
単語の意味
据える(すえる)
据える・・・1.物をその場所に置いて動かないようにする。「機械を据える」
2.落ち着かせる。座らせる。「腰を据える」
2.落ち着かせる。座らせる。「腰を据える」
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考える・頭を回転させるの表現・描写・類語(思考・頭の中の状態のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(泳ぎながら考える)水中は考えごとに適した場所でもあった。それは一種の禅のようなものだ。いったん運動のリズムに乗ってしまえば、頭の中に思考を束縛なく漂わせることができる。犬を野原に放つように。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
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一点を見つめるの表現・描写・類語(見るのカテゴリ)の一覧 ランダム5
じっと悲しく見つめ考えていたスタンドの灯影
岡本かの子 / 母子叙情
黙ったまま 虚空 の一点を見つめていました。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
「ニューギニヤで人間を食ったって、ほんとですか」 「人間か」といって、彼は夢みるように 眼 を空へ向けて、暫く黙っていた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
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「思考・頭の中の状態」カテゴリからランダム5
(いろんなアイデアが、)太古の海における生命萌芽のざわめきのように、彼の頭の中に浮かんだり消えたりしていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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彼はまだじっとぼくの目を見ていたし、ぼくも視線をそらせなかった。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
その目が合った一瞬のあまりの短さゆえなのか、あるいはふたりの呼吸かなにかがぴったりと同調したのか、奇妙な、しかし確信に満ちた兄との一体感というか合一感に襲われた。今、ふたりは同じことを考えている。考えていることが同じなのではなくて、ふたりが一緒に、ふたりがかりでひとつのことを考えている。誰にそんなことを聞いたことがあるわけではなかったけれども、血のつながった兄妹というのはきっとどこもこういう瞬間があるものなのだ、とこの時知花は思った。
滝口 悠生 / 死んでいない者 amazon
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