山で仕事をしていると、花粉がもわもわ降ってくる。降り注ぐ花粉で、山の斜面は真っ黄色だ。作業が終わる夕方には、俺たちは衣をまぶして揚げるばかりになったフライみたいなありさまだった。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 ページ位置:32% 作品を確認(amazon)
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花粉
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前後の文章を含んだ引用
......あいだもクシャミが出て、腹筋が痛かった。 俺は花粉症になっちゃったんだ。たぶん、人生で摂取していい花粉量を、村に来て一回目の春だけで、一気に超えたんだと思う。 山で仕事をしていると、花粉がもわもわ降ってくる。降り注ぐ花粉で、山の斜面は真っ黄色だ。作業が終わる夕方には、俺たちは衣をまぶして揚げるばかりになったフライみたいなありさまだった。 清一さんと巌さんは、ゴーグルをかけた目もと以外は、肌が見えない完全防備だ。手ぬぐいで耳ごと頭を包んでからヘルメットをかぶり、鼻から下も手ぬぐいで覆う。その下に......
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風が吹くたびに枝が揺れて、花粉が黄色い霧みたいにバサーッ、バサーッと
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
軟らかな風が涼しく吹いて松の花粉が埃のように湿った土を掩うて
長塚 節 / 土 amazon
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芽というものが持つ小さい逞 しいいのちは、かの女の愛感を牽 いた。
岡本かの子 / 母子叙情
(大木)根もとに立って見あげると空はその緑の葉にすっぽりと覆い隠されてしまう
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
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