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西洋菓子の間に詰めてあるカンナ屑 めいて、緑色の植物が家々の間から萌 え出ている。ある家の裏には芭蕉 の葉が垂れている。糸杉の巻きあがった葉も見える。重ね綿のような恰好 に刈られた松も見える。みな黝 んだ下葉と新しい若葉で、いいふうな緑色の容積を造っている。
梶井基次郎 / 城のある町にて ページ位置:8% 作品を確認(青空文庫)
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街や村の雰囲気・印象
樹木・木々
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前後の文章を含んだ引用
......た町の娘達がはしゃいだ眼を光らせた。 今、空は悲しいまで晴れていた。そしてその下に町は甍 を並べていた。 白堊 の小学校。土蔵作りの銀行。寺の屋根。そしてそこここ、西洋菓子の間に詰めてあるカンナ屑 めいて、緑色の植物が家々の間から萌 え出ている。ある家の裏には芭蕉 の葉が垂れている。糸杉の巻きあがった葉も見える。重ね綿のような恰好 に刈られた松も見える。みな黝 んだ下葉と新しい若葉で、いいふうな緑色の容積を造っている。 遠くに赤いポストが見える。 乳母車なんとかと白くペンキで書いた屋根が見える。 日をうけて赤い切地を張った張物板が、小さく屋根瓦の間に見える。―― 夜になると火......
単語の意味
若葉(わかば)
青黒・黝(あおぐろ)
若葉・・・芽を出したばかりの葉。とくに、初夏の木々のみずみずしい葉。新葉(しんば)。
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街や村の雰囲気・印象の表現・描写・類語(家・建物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(町はいろいろな国の人が)雑居して、さながら人種の博品館のような感を呈していた。
井伏 鱒二 / ジョン万次郎漂流記 amazon
道路が何本も走って、公園や学校や教会や広場や無線塔や工場や港や駅や市場や動物園や役所や屠殺(とさつ)場がある都市
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
丘つづき、空と、雑木原と、田と、畑と、雲雀(ひばり)との村は、実に小さな散文
詩であった。
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
思春期の少女のようなみずみずしい感じのする街
五木 寛之 / ワルシャワの燕たち amazon
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すっかり葉を落とした櫟(くぬぎ)や樫(かし)が、叩けばかあんと音を立てそうな固さで静かに立っている
黒井 千次 / 春の道標 amazon
窓の外が青く浮かんで、木々が幾重にも重なる黒い切り絵に見える。
吉本 ばなな / 哀しい予感 amazon
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「植物」カテゴリからランダム5
山で仕事をしていると、花粉がもわもわ降ってくる。降り注ぐ花粉で、山の斜面は真っ黄色だ。作業が終わる夕方には、俺たちは衣をまぶして揚げるばかりになったフライみたいなありさまだった。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
笑いさざめいているような花盛り
林 芙美子 / めかくし鳳凰「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
貧弱な花房で、老婆の、萎びてだらりと垂れさがった乳房のようだ
井上 ひさし / 腹鼓記 amazon
「家・建物」カテゴリからランダム5
煤けた傘を伏せたような家の中
水上 勉 / 越前竹人形 (1980年) amazon
鉄の扉は何度も塗りなおされたあとで、あきらめて放り出されていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
おそろしく頭でっかちな三階建の下宿屋
林芙美子 / 新版 放浪記
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