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町はすでに青い影の中にすっぽりと飲み込まれていて、でも湖だけがぽっかりと空の赤を映している。あちこちの斜面に、ピンク色の夕もやが湧き立ちつつある。人家からは夕餉の煙が何本も狼煙のように、細く高くたなびいている。町の上空を舞うスズメが、放課後の埃みたいにランダムにきらきらと輝いている。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 ページ位置:34% 作品を確認(amazon)
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夕方
夕日・西日
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前後の文章を含んだ引用
......されていて、なんだか出来すぎた絵画のようだ。「……わあぁ!」 眼下に見えはじめた山里の風景に、俺は思わず息を漏らした。湖を取り囲む三葉の町の、それは全景だった。町はすでに青い影の中にすっぽりと飲み込まれていて、でも湖だけがぽっかりと空の赤を映している。あちこちの斜面に、ピンク色の夕もやが湧き立ちつつある。人家からは夕餉の煙が何本も狼煙のように、細く高くたなびいている。町の上空を舞うスズメが、放課後の埃みたいにランダムにきらきらと輝いている。「そろそろ彗星、見えるかな?」 四葉が夕陽を手のひらでさえぎりながら、空を探している。「彗星?」 そういえば朝食時のテレビで、そんな話題をやっていたと俺は思い出......
単語の意味
夕靄(ゆうもや)
靡く(なびく)
上空(じょうくう)
雀(すずめ)
夕靄・・・夕方に辺りを覆う靄(もや)。
靡く・・・1.草や藻、布などの長くて軟らかいものが、水や風の流に従って横に動く。
2.権力者の意思や命令に従う。また、女性が男性の言うことを受け入れる。
2.権力者の意思や命令に従う。また、女性が男性の言うことを受け入れる。
上空・・・空の上の方。また、ある地点の上に広がる空。
雀・・・ハタオリドリ科の小鳥。人里近くに住み、ハトと同じくらいよく見られる鳥。背中は茶色に黒い班点があって、腹は白い。稲などの穀物を荒らす一方で、害虫もよく食べる。竹と対になり縁起の良いものとされ、画題や家紋となる。
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夕方の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
空にはまだ昼の輝きが残っている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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夕日・西日の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
懐中電灯みたいな夕陽が沈んでいく。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
夕方の金の 陽射しにさらされた緑の芝。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
小さい畠の彼方の栗の木には、だんだんと傾いて行く日足が、黄色い灯を点したようにしずかにさしている。
鈴木 三重吉 / 桑の実 amazon
棚に吊るした橙色のカーテンのように、夕陽の光線の矢が海綿にそそぐ
阿部 昭 / 千年 (1977年) amazon
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「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
落日を見ようとする切なさに駆 られ
梶井基次郎 / 冬の蠅
遥かの山の空はまだ、夕焼けの名残の色がほのか
川端康成 / 雪国 amazon
山ぶどうよりは小ぶりで果もかたく、紫赤色によくうれて、収穫する時は、手が染まるほどである。
水上 勉 / 土を喰う日々―わが精進十二ヵ月 amazon
朝陽 はまだ姿を見せていなかったが、 鬱金色 のさざめきがすでに 川面 で 煌めいていた。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
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