風はないけれども月の白さでひどく冷え込んだような晩
有島武郎 / 或る女(後編) ページ位置:39% 作品を確認(青空文庫)
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冬の夕方・夜
月
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前後の文章を含んだ引用
......た。満月に近い月がもうだいぶ寒空 高くこうこうとかかっていた。 二人を迎えた竹柴館の女中は倉地を心得ていて、すぐ庭先に離れになっている二間 ばかりの一軒に案内した。風はないけれども月の白さでひどく冷え込んだような晩だった。葉子は足の先が氷で包まれたほど感覚を失っているのを覚えた。倉地の浴したあとで、熱めな塩湯にゆっくり浸ったのでようやく人心地 がついて戻 って来た時には、素早 ......
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みぞれまじりの、空気が歯にしみるような寒い夕暮れ
宮部みゆき / たった一人「とり残されて」に収録 amazon
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空には、もう細い月が、うらうらと靡 いた霞 の中に、まるで爪の痕 かと思う程、かすかに白く浮んでいる
芥川龍之介 / 杜子春
寡黙な一人ぼっちの衛星。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
酸漿(ほおずき)のように赤ばんだ月
稲垣 足穂 / 弥勒 amazon
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沈殿物が底の沈んだ上澄みのような灰色の雲
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
(暗い空)古綿色の雲が低くこの街を覆っている
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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冬の夜更けの冷たい空気が硬い粉のように瞼や頬に痛い
大江健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
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