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(ギター演奏)和声の断面はよく磨かれた鏡のように澄んでいる。音に 漲る生気には客観性の 優しさとでも言うべきものが仄めいていて、重厚さと軽やかさとが互いに手を引き合い、数多の声が幻影と共に美しく縒り合わされていた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 ページ位置:97% 作品を確認(amazon)
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音楽
演奏する・楽器を鳴らす
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前後の文章を含んだ引用
......つつも細部に至るまで透徹して冴えていた。〈ハイパー・ロマンティシズム〉というブローウェルのコンセプトを体現したような第一部と違って、蒔野の演奏も、より構築的で、和声の断面はよく磨かれた鏡のように澄んでいる。音に漲る生気には客観性の優しさとでも言うべきものが仄めいていて、重厚さと軽やかさとが互いに手を引き合い、数多の声が幻影と共に美しく縒り合わされていた。 洋子は目を閉じ、彼の《アランフェス協奏曲》の演奏を、サントリーホールで聴いた五年半前の記憶を脳裏に蘇らせた。あの夜、二人で交わした会話と微笑み。別れ際にタクシ......
単語の意味
生気(せいき)
縒る・撚る(よる)
生気・・・活気のある感じ。元気な感じ。イキイキ。
縒る・撚る・・・細長い糸状のものをひねる。複数の糸状のものをねじり合わせる。
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音楽の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
理屈っぽくて硬質な、ドラマティックで情念的なベートーヴェン
村上春樹 / 遠い太鼓 amazon
喫茶店から甘い、くすぐるような音楽が聞こえてくる
遠藤周作 / 海と毒薬 amazon
音はいかにも不吉で、忌まわしい何かを予感させた
季良枝 / 由熙 amazon
パチンコ屋さんの音楽のリズムに足の歩調が合いそうになる
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
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演奏する・楽器を鳴らすの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
その音には、生の楽器特有の鋭角的で不揃いな響きがあった。スピーカーから流されているできあいの音楽ではない。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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「音の響き」カテゴリからランダム5
はるか前方の書記席でとり落とした鉛筆の音が傍聴席の隅までとどくほど、寂としている
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
簾の外の往来が、目まぐるしく動くのに引換えて、ここでは、甕 でも瓶子 でも、皆赭 ちゃけた土器 の肌 をのどかな春風に吹かせながら、百年も昔からそうしていたように、ひっそりかんと静まっている。
芥川龍之介 / 運
(小布団の敷かれていない電話機)じかに置くと、ベルが鳴ったとき耳障りながさつな音を立てる
向田邦子 / 花の名前「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
両手でコップを包み込むようにしながらウィスキーを飲んでいる
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
今にも破裂するように心臓が鼓動した。
有島武郎 / 或る女
嘔吐感が、港一の荒くれ者の船に乗った時の五倍
又吉 直樹 / 火花 amazon
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