郊外に向けて走る電車の中で、ゆったりと席を取り、次第に緑を増していく風景に見とれていた。
阿刀田 高 / 蒼空「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:23% 作品を確認(amazon)
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車窓からの風景
郊外
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前後の文章を含んだ引用
......汗ばんだ疲労も厭だった。「パパ、おみやげは?」と、わがもの顔でとび出してくる子どもたちも厭だった。 思い出すと毎日の生活にかかわるなにもかもが厭だった。 並作は郊外に向けて走る電車の中で、ゆったりと席を取り、次第に緑を増していく風景に見とれていた。 空は無気味なほど蒼かった。一はけの雲もなく、蒼はどこまでも広く深く続いていた。 並作は腕時計を見た。九時五分過ぎ。会社ではもう仕事が始まっているころだろう。電......
単語の意味
見とれる(みとれる)
風景(ふうけい)
見とれる・・・あるものに心引かれて、ぼーっと見る。素敵なものに我を忘れて見入る。「見惚れる・見蕩れる」とも書く。
風景・・・自然の景色。目の前に広がる眺め。その場の情景。
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車窓からの風景の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ホームに着く直前、列車はトンネルに入る。 その時、窓は女の鏡となった。《…略…》鏡がすうっと消えた。そのかわり、冬の陽ざしがあたるホームが、久仁子の目の前に拡がってきた。
林 真理子 / 京都「最終便に間に合えば (文春文庫)」に収録 amazon
車が、走り出す。街がすべり出す。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
星のように流れていく景色
朝井 リョウ / もういちど生まれる「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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郊外の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
丘陵地の奥まったところにあるキャンパスは緑に囲まれていて、都会の喧騒からはきっちり一線を画した 清々しさを持っている。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
熱海市清水町は、温泉街の中心地から南西に外れた地点にある。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
(タクシーが)走り出すとすぐに駅前の家並は尽き、道の両側は畑と雑木林ばかりになった。
浅田次郎 / ラブ・レター「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
東京から一時間、降り立った駅の周辺は一応、町の形をしていたが、少し歩くと風景は一変して田圃だらけになった。
百田尚樹「永遠の0」に収録 amazon
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「地上・陸地」カテゴリからランダム5
霧が山をしずしずと降りてくる
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
城壁のように蜿蜒(えんえん)と連なっている山々
新田 次郎 / 芙蓉の人 amazon
赤い火の色が麓の方へ降りて行って、山の姿の半分位までが、明るく光り出した時分には、要の頂上は、瑪瑙(めのう)を磨き立てた様な色になっていた。
内田 百けん / 東京日記「東京日記 他六篇 (岩波文庫)」に収録 amazon
「乗り物」カテゴリからランダム5
電車はゆっくり走り出した。知っているネオンが次々に走り去っていった。
吉本 ばなな / 新婚さん「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
車道は台風一過のように、渋滞なく各車のスピードをのせている。
丹羽 文雄 / 顔 (1963年) amazon
天井の低い三等船室の暗がりで、父は水の光に透かしては、私の頭の虱 を取ってくれた。
林芙美子 / 新版 放浪記
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