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六分の恐怖と四分の好奇心とに動かされて、暫時ざんじ呼吸いきをするのさえ忘れていた。
芥川龍之介 / 羅生門 ページ位置:50% 作品を確認(青空文庫)
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好奇心・興味を示す 「恐怖」 + 「他の感情」
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前後の文章を含んだ引用
......である。その老婆は、右の手に火をともした松の木片きぎれを持って、その死骸の一つの顔を覗きこむように眺めていた。髪の毛の長い所を見ると、多分女の死骸であろう。  下人は、六分の恐怖と四分の好奇心とに動かされて、暫時ざんじ呼吸いきをするのさえ忘れていた。旧記の記者の語を借りれば、「頭身とうしんの毛も太る」ように感じたのである。すると老婆は、松の木片を、床板の間に挿して、それから、今まで眺めていた死骸の首に両手をかけると......
単語の意味
好奇(こうき)
好奇・・・珍しい物ごとやまだ知らないことに強い興味や関心を持つこと。また、そのさま。
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知らないことは知りたい。そう思う。じりじりするほどそう思う。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
心を、かゆがらせる。
太宰治 / 人間失格
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こうして離れていてふと、私の知っている彼のいいところを思うと、あまりのすばらしさに胸が苦しくなる。その文章の才、礼儀正しさ、行動の大胆さ、おおらかさ、手の形、声の響き……等。  そして悪いところやずるいところを考えると、あまりの憎しみに息が苦しくなる。私を旅に誘ったりする弱さ、妹の死に対するある種の冷酷さ、ろくに日本に帰らないくせに、来るとなると会いたがるずるさ……等。  ほかの人にはこんなに感じないひとつひとつの感覚が活性化される。その振幅がそのままその人を思うのベクトルの大きさだ。人間は苦しい。不完全なひとりが、不完全なひとりを思い丸ごとを受け入れようと苦しむ様は、なぜかそれぞれ胸のうちの 嵐 とは別のところで、ときどき妙に生き生きとしたあるひとつの像を結ぶ。  人間がかろうじて日々を生きているわけみたいなもの。  いちめんに咲いた桜並木みたいに大盤振る舞いの美しくやさしいエネルギー。  たださらさらと花びらが散り、陽がさして風が吹き、はるか続く木々がいっせいに揺れて舞い狂うピンクとすきまの青空の甘い色に圧倒されて立ちつくす。知っている。一度しかなく、一瞬で終わる。でも自分がその一部に永遠に溶け込んでいる。ワンダフル、ブラボー! そういう瞬間を、人は苦しんでも求める。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon関連カテ恋愛・恋する・恋心愛憎
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