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傾いた十月の 陽 が赤松の影を長く延ばし、影が芝の黄ばんだ緑と重って、紫の 斑点 を浮き上らせてくる
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 ページ位置:87% 作品を確認(amazon)
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夕方
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前後の文章を含んだ引用
......また想起作用の有力な一環である。 医師が私の精神の状態を自分に納得するような、誇らかな眼で私を見据え、諾いて去った後、私は一人庭へ出ていった。ベンチへ腰を下し、傾いた十月の陽が赤松の影を長く延ばし、影が芝の黄ばんだ緑と重って、紫の斑点を浮き上らせてくるのを見凝めながら、私は医師との会話によって、新しく刺戟された推理の糸を手繰った。 私が比島人に捕えられた地点は、俘虜票にオルモック附近とあるのみで、正確な証言を......
単語の意味
斑点(はんてん)
紫(むらさき)
斑点・・・ぶつぶつ模様。たくさん散らばった小さな点。
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夕餉 の香りが河畔のあちこちから漂ってくるころ
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
やがて、ひしめき合う屋根や広告塔が夕闇に包まれるよりずっと早い時刻に、遠く近く次々と、人工の灯火が鈍く点りはじめる。立てた襟で耳まで覆って眺め続けていると、闇からも光からも仄白く遊離した陰のない風景が、冷気に潤んだ目のなかでかげろうのように揺れる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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