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夜、静かに寝られないでいると、空を五位が啼 いて通った。ふとするとその声が自分の身体のどこかでしているように思われることがある。虫の啼く声などもへんに部屋の中でのように聞こえる。
※備考※ 五位 = ゴイサギ
梶井基次郎 / 城のある町にて ページ位置:86% 作品を確認(青空文庫)
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就寝前に聞こえる音
眠れない・眠りが浅い
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前後の文章を含んだ引用
......日葉書へそんなことを書いてしまった、もちろん遊戯ではあったが。そしてこの日頃の昼となし夜となしに、時どきふと感じる気持のむずかゆさを幾分はかせたような気がした。夜、静かに寝られないでいると、空を五位が啼 いて通った。ふとするとその声が自分の身体のどこかでしているように思われることがある。虫の啼く声などもへんに部屋の中でのように聞こえる。 「はあ、来るな」と思っているとえたいの知れない気持が起こって来る。――これはこの頃眠れない夜のお極 りのコースであった。 変な気持は、電燈を消し眼をつぶっている彼......
単語の意味
身体(しんたい)
身体・・・人のからだ。肉体。
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就寝前に聞こえる音の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
目を閉じるといろいろな音が聞こえてきた。博士のいびき、毛布の衣擦れ、氷の溶ける気配、ルートの寝言、ソファーの軋み。二人の発する音たちは、発熱のアクシデントを忘れさせ、私を安堵させ、眠りに導いてくれた。
生まれた家では、夜おそくよく汽笛が響いてきた。天井板のこみいった木目に怯えて、寝付かれない子どもの耳に、それが騒音というにはあまりにもか細い、なにか優しい未知の華やかさのように聞こえてきた。ちょうどそれは、おもいがけない遠くでさざめいている都の夜のようなものである。
三島由紀夫 / 花ざかりの森 amazon
夜、寝てしまうのがおしくて、暗い部屋の中でじっと眼を開けていると、溝 の処だろう虫が鳴いている。
林芙美子 / 新版 放浪記
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眠れない・眠りが浅いの表現・描写・類語(睡眠・眠る・寝るのカテゴリ)の一覧 ランダム5
頭の中はまるで古新聞を丸めて押し込んだような気がする。眠りは浅く、いつも短かかった。暖房がききすぎた歯医者の待合室のような眠りだった。誰かがドアを開ける度に目が覚める。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
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疲れ果て、泥のような眠りに落ちていた。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
真夜中ぱっちりと突然目が覚めることがあった。 そういうときは、まるで電気をつけられたかと思うくらいぱっと目が覚める。
吉本 ばなな「アムリタ(上) (新潮文庫)」に収録 amazon
うつろに眠い頭で聞いていた。彼女の声がまるで夢の中に響くように感じた。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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