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ある日、何かが僕たちの心を捉える。《…略…》二日か三日ばかり、その何かは僕たちの心を彷徨い、そしてもとの場所に戻っていく。……暗闇。僕たちの心には幾つもの井戸が掘られている。そしてその井戸の上を鳥がよぎる。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:58% 作品を確認(amazon)
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飽きる・冷めている
集中する・夢中になる
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前後の文章を含んだ引用
......わ」 僕たちは同じフォームから逆向きの電車に乗った。「本当に寂しくないの?」彼女は最後にもう一度そう訊ねた。僕がうまい答を捜しているあいだに電車がやってきた。 ある日、何かが僕たちの心を捉える。なんでもいい、些細なことだ。バラの蕾、失くした帽子、子供の頃に気に入っていたセーター、古いジーン・ピットニーのレコード……、もはやどこにも行き場所のないささやかなものたちの羅列だ。二日か三日ばかり、その何かは僕たちの心を彷徨い、そしてもとの場所に戻っていく。……暗闇。僕たちの心には幾つもの井戸が掘られている。そしてその井戸の上を鳥がよぎる。 その秋の日曜日の夕暮時に僕の心を捉えたのは実にピンボールだった。僕は双子と一緒にゴルフ・コースの八番ホールのグリーンの上で夕焼けを眺めていた。八番ホールはパー......
単語の意味
彷徨(ほうこう)
暗闇(くらやみ)
彷徨・・・行くあてもなく歩きさまよう事。うろうろすること。
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「飽きる・冷めている」の表現・描写・類語(嫌いのカテゴリ)の一覧 ランダム5
長いこと水を貰わない植木鉢のように、干からびた熱情
林芙美子 / 新版 放浪記
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子供みたいに夢中になって
浅田次郎 / うらぼんえ「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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深夜の便器のような長嘆息
開高 健 / 飽満の種子「珠玉・花終る闇 (開高健全集)」に収録 amazon
褌(ふんどし)のようにバカ長い嘆息を洩らさざるを得なかった。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
知らぬうちに零した溜め息が足元に積もっているように感じ、足が抜けなくなるのではと不安を覚える。
伊坂 幸太郎 / アイネクライネナハトムジーク amazon
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足の裏を突き抜けて地にめりこんで行くような沈鬱
石川淳 / 普賢 amazon
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「嫌い」カテゴリからランダム5
殺意が朝の海風のように胸を吹き抜ける
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
今しがたまで身を沈めていたあの満足の余奮から、突然、つき飛ばされたように醒めていく
石原 慎太郎 / 行為と死 (1967年) amazon
私はただ吐いていた。空の胃から黄色い液だけが出た。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
「退屈」カテゴリからランダム5
平和に飽 くと平和な光景が、見るも気 だるくなってくる
吉川英治 / 増長天王
あくびがまた鯨 の遠吠 のようにすこぶる変調を極 めた
夏目漱石 / 吾輩は猫である
「思考・頭の中の状態」カテゴリからランダム5
(死体をスケッチする)一度、集中すると部屋の空間はすでに自分と死体しか存在しないかのようだった。
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
眠り足りたスポンジのような頭脳
宮本百合子 / 伸子
思案するように足の指という指をじっとたわめる
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
目が廻るくらいいそがしい
太宰治 / 人間失格
こなれ切れない言葉や世界を前にして、頭の中が発熱したようになる
永倉 万治 / 星座はめぐる amazon
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