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(ピアノの演奏)中盤に差し掛かっても主張しすぎない抑えた演奏に、かえって心が震える。小さな部屋の空気をすっと包み込んでしまうようなおおらかな響き。研ぎ澄まされた音が重なり合って、深く広がる音楽が作られていく。
瀬尾 まいこ「そして、バトンは渡された (文春文庫)」に収録 ページ位置:82% 作品を確認(amazon)
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......メロディ。しばらく聴いていなかったけど、前よりも早瀬君のピアノはうまくなっている。「ああ」 聞き覚えがあるのだろう、何小節目かで泉ヶ原さんはそっとうなずいた。 中盤に差し掛かっても主張しすぎない抑えた演奏に、かえって心が震える。小さな部屋の空気をすっと包み込んでしまうようなおおらかな響き。研ぎ澄まされた音が重なり合って、深く広がる音楽が作られていく。 私もあのころ、このピアノを毎日弾いていた。梨花さんは、ピアノを弾かせるために私をこの家に連れてきてくれた。だけど、ここで私が手に入れたのは、ピアノだけじゃない......
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(フェルトでできたピアノの)ハンマーがまるでキタコブシの蕾のように揃って
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 amazon
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うすむらさきのなぎなたほおずきを、器用に鳴らし
林芙美子 / 新版 放浪記
(ギター演奏)「郷愁」という副題を持つ第一楽章の内省的なプレリュードを、蒔野は、感傷を持て余して、時の流れの中で立ち往生しているような、躊躇いがちな性急さで演奏した。アルペジオのトップノートが、目の前の現実とかつての記憶とを、玉突きするように継いでゆく 謐 々 とした旋律。その足許で、なし崩しに過去へと 熔け落ちてゆく今。第二楽章の宗教的アンダンテは、荘厳なミサに託された祈りの行方を、聖堂の遥か彼方の天井の反響に探って、最後は 瞑目 するようなハーモニクスで、第三楽章のアレグロへと至る。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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「一日中家の中にいて電話を待ってなきゃいけないなんて本当に嫌よね。一人きりでいるとね、体が少しずつ腐っていくような気がするのよ。だんだん腐ってきて溶けて最後には緑色のとろっとした液体だけになってね、地底に吸い込まれていくの。そしてあとには服だけが残るの。そんな気がするわね、一日中じっと待っていると」
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
何か執拗なものを追い払うような手つき
岡本かの子 / 母子叙情
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樹々の葉が砂のように乾いた音をたてて鳴っています。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
始業のベルが鳴った。校舎のまわりの騒ぎは、潮がひくように静まって
石坂 洋次郎 / 山のかなたに amazon
土手の草がさわさわと鳴っていた。
小川 洋子 / 夕暮れの給食室と雨のプール「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
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