(病兵たちは)思い思いの 恰好 で横わり、時々立ち上って無意味にのろのろと動いた。人間よりは動物に近かった。しかも当惑のため生存の様式を失った、例えば飼い主を離れた家畜のように見えた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 ページ位置:12% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
患者・病人・けが人
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......た間、私は彼等の様子を注意していた。私もまたやがて彼等の仲間に入るかも知れない、と考える理由があったからである。 小屋から見ると彼等は林縁の汚点のように見えた。思い思いの恰好で横わり、時々立ち上って無意味にのろのろと動いた。人間よりは動物に近かった。しかも当惑のため生存の様式を失った、例えば飼い主を離れた家畜のように見えた。 しかし今その一員として彼等の間に入って、私は彼等が意外に平静なのに驚いた。内に含むところあるらしい彼等の表情からみて、彼等が一人一人異った個人的必要を持ち、ま......
単語の意味
当惑(とうわく)
様式(ようしき)
当惑・・・戸惑うこと。どうしていいかわらず、困り果てること。
様式・・・人種や時代などが同じもの同士の間で、共通する様子ややり方。スタイル。
ここに意味を表示
患者・病人・けが人の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(歯医者の診察台)円盤型の巨大な電灯から降ってくる光が頰に当たって熱かった。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
(患者)彼らの姿はたしかに墓場に集まってくる幽霊を信太郎にも連想させた。
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
このカテゴリを全部見る
「人の印象」カテゴリからランダム5
名前は芥川真之介といった。立派な名前だ。文豪みたいだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
「健康・体調・病気」カテゴリからランダム5
脚が棒のようになるという言葉が、まったく実感のある形容だということもわかりました。
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
熱のせいで家中がシュールにゆがんで見え
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
小林多喜二 / 蟹工船
牢獄を出たばかりのようなみすぼらしい疲れ
川端 康成 / 掌の小説 amazon
同じカテゴリの表現一覧
人の印象 の表現の一覧
健康・体調・病気 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ