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彼の上方に向けた眼の中には、 橙色 にけむった空がうつっている……。それは彼に先刻の火事場の炎を思い起させる。
野間 宏 / 残像「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 ページ位置:59% 作品を確認(amazon)
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夕焼け
火事
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前後の文章を含んだ引用
......すれて来はじめた。沢木茂明は空腹と疲労と次第に出はじめた酔いを感じ、頭を上に向け、もはや何を考えるということもなく、ただ漠然とした思いにとらわれて歩いて行った。彼の上方に向けた眼の中には、橙色にけむった空がうつっている……。それは彼に先刻の火事場の炎を思い起させる。……そしてその炎の中に結ばれた美佐子の姿が、ちらちらと夕暮の空の中にひらめく。《美佐子は生きていたんだなあ。……しかし、ほんとうに変った。じっさい、よくも変った......
単語の意味
煙る・烟る(けむる・けぶる)
先刻(せんこく)
煙る・烟る・・・霧やかすみなどで辺りがぼやける。白煙や色のある煙がもくもくと出て、辺り一面に広がる様子。
先刻・・・1.さきほど。さっき。
2.その時点すでに事が終了しているさま。すでに。前から。
2.その時点すでに事が終了しているさま。すでに。前から。
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夕焼けの表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
サーモンピンクの細い光りの帯が氷原を染める
三浦綾子 / 続氷点 amazon
夜の気配が血のような残照に染まる
光瀬龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
遥か東南の雨もよいの夕空が一面、加賀の赤梅いろのように染まった
岡本 かの子 / 落城後の女「岡本かの子全集〈4〉 (ちくま文庫)」に収録 amazon
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火事の表現・描写・類語(事件・事故のカテゴリ)の一覧 ランダム5
闇の底を焦がして燃え盛る火の帯
真継 伸彦 / 鮫 amazon
高みから大きい星空の下に見下すと、おもちゃの火事のように静かだった。
川端康成 / 雪国 amazon
遠い沖で小さい漁船が火事を起こして、まるで篝火(かがりび)でも焚いているように真赤に燃え上がっているのが見えました。
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (新潮文庫)」に収録 amazon
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「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
黎明 の光が死海の向うに 拡がるモアブ山脈を白っぽく染め、
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
しいんとした薄暮のいろが低く水面に降りていた。
吉川英治 / 銀河まつり
空を見ると、氷柱 の枝に星があった
吉川英治 / 八寒道中
「事件・事故」カテゴリからランダム5
大へんな人気をあおって初日は小屋の割れるようなさわぎになった。
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
僕は姿勢を低くした。そうすることで煙が弱まってくる。目線を床に近づければ近づけるほど炎が灯りとなってほんのりと視界が利いてくるようになった。そして目の痛みも和らぎ、少しだけ呼吸も楽になった。
七尾 与史 / 死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) amazon
「火・煙・灰」カテゴリからランダム5
長い鉄の火箸 に火の起こった炭をはさんで高くあげると、それが風を食って盛んに火の子を飛ばす
有島武郎 / 生まれいずる悩み
手紙がめらめらと燃えあがって、小さい悪魔のなきがらのように、黒くちぢこまる
山本 有三 / 波 amazon
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