地面には雑草が茂り、いたるところに 蜘蛛 がねばねばとした巣をはって虫の到来を待ち受けていた。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 ページ位置:43% 作品を確認(amazon)
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荒野・荒れた土地
蜘蛛(くも)
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前後の文章を含んだ引用
......都合だった。だから今ではその道はまるで放棄された運河のように人知れずとりのこされ、利用するものもなく、家と家を隔てる緩衝地帯のような役割を果しているだけである。地面には雑草が茂り、いたるところに蜘蛛がねばねばとした巣をはって虫の到来を待ち受けていた。 妻がどうしてそんなところに何度も出入りしていたのか、僕には見当もつかなかった。僕だってそれまでに一度しかその「路地」を歩いたことはなかったし、彼女はただでさえ......
単語の意味
茂り・繁り(しげり)
蜘蛛(くも)
茂り・繁り・・・草木がたくさん育って、葉や枝が集まっていること。また、その場所。
蜘蛛・・・クモ目の節足動物の総称。8本足で体は袋状。尻から糸を出す。ほとんどの種は糸を使って巣を張り、そこに虫を捕らえて食べる。
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荒野・荒れた土地の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
イナゴの大群が通り過ぎた跡のごとく、食物という食物が喰いつくされて、青草一本残されぬ有り様
奥泉 光 / 石の来歴 amazon
野ざらしにされた白いベンチが朽ちかかっている。敷き詰められたタイルの目地からは、濃い緑色の雑草が我が物顔で伸びている。 飼い主の手を離れて、野生化した時間の群れ。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
禿山の頂のように、草がなく、むき出しの赤土がてらてらと光る場所
藤沢周平 / 三屋清左衛門残日録 amazon
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蜘蛛(くも)の表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
蜘蛛が毬(まり)のようになってぶらさがる
ジュール・ルナール / にんじん amazon
(日に照らされて)白く輝いた蜘蛛の糸が弓形に膨らんで幾条も幾条も流れてゆく。(その糸の上には、なんという小さな天女! 蜘蛛が乗っているのである。彼らはそうして自分らの身体を溪のこちら岸からあちら岸へ運ぶものらしい。)
梶井基次郎 / 冬の蠅
鼈甲(べっこう)のような色沢(つや)の長い足を持った女郎蜘蛛
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
蜘蛛が一匹、美しい銀色の糸をかけて
芥川龍之介 / 蜘蛛の糸
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「地上・陸地」カテゴリからランダム5
上越から甲州の、あまり高くない山々
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
櫛の歯のように生えている竹林にさしこんでいる陽が、苔の生えた地面に、雨のようにそそぐ
水上 勉 / 越前竹人形 amazon
大蛇のうねるような坂
泉 鏡花 / 高野聖 amazon
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(蚊は)蚊帳を透かして来る月光の中を飛んでいるのです。なんだか、月光を求めながら、押し流されては戻って来ようとでもしているようであります。
森 敦 / 光陰「月山・鳥海山 (文春文庫 も 2-1)」に収録 amazon
蠅がふたたび、彼と女との汗の臭いを慕って、首のまわりを飛びまわりはじめた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
寄せてはまた打ち返す波のようなその(ヒグラシの)声
藤沢 周平 / 麦屋町昼下がり amazon
一枚の朽ち葉みたいになった蛾の死骸
堀 辰雄 / 風立ちぬ amazon
黒い蝶は、その子の胸にとまり、ぴたりと、はねをとじました。悲しいしるしのように--。
松谷 みよ子 / 黒い蝶「黒い蝶・花びら (講談社文庫 ま 2-4)」に収録 amazon
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