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西の空がかすかに赤かったが、それは街並に落ちるまでには至らなかった。光は、 暗澹あんたん と横たわる大気を射抜く力も 失せ、逆にすべての光沢を 覆うかのように忍び降りては死んでいく。ときおり、狂ったような 閃光 が 錯綜さくそう することはあっても、それはただ いらか の雪や市電のレールをぎらつかせるだけで終わってしまう。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 ページ位置:1% 作品を確認(amazon)
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夕日・西日
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前後の文章を含んだ引用
......って、すでに夕闇に包まれ始めている川面を眺めた。電線にまとわりつく雪がそこかしこでこぼれ落ち、身を屈めている野良犬を追いたてた。 昭和三十七年三月の末である。 西の空がかすかに赤かったが、それは街並に落ちるまでには至らなかった。光は、暗澹と横たわる大気を射抜く力も失せ、逆にすべての光沢を覆うかのように忍び降りては死んでいく。ときおり、狂ったような閃光が錯綜することはあっても、それはただ甍の雪や市電のレールをぎらつかせるだけで終わってしまう。 一年を終えると、あたかも冬こそすべてであったように思われる。土が残雪であり、水が残雪であり、草が残雪であり、さらには光までが残雪の余韻だった。春があっても、夏......
単語の意味
閃光(せんこう)
暗澹(あんたん)
錯綜(さくそう)
甍(いらか)
閃光・・・閃(ひらめ)く光。一瞬に放たれる強烈な光。瞬間的な強い光。「閃く」は「一瞬、鋭く光る」という意味。
暗澹・・・1.暗くて澹(しず[=静])かなさま。雰囲気が暗く沈んでいるさま。薄暗くてぼんやりしているさま。どんより。
2.見通しが悪く、将来に希望が見えず不安な感じ。
「澹」は訓読みで「しず(か)」と読める。
錯綜・・・いくつもの物事が分かりにくく絡まりあっていること。物事の関係が複雑で混乱すること。
・・・1.瓦で覆われた屋根。また、その瓦。
2.屋根の頂上の部分。
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