(ハワイでのバカンス)こんなにお店もあって食べるところもたくさんあるのに、私たちは何にもない砂の上で満足していた。あたたかい風と太陽の光と移りゆく時間が変えて行く景色があればなにもいらない。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 ページ位置:88% 作品を確認(amazon)
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南の島
バカンス
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前後の文章を含んだ引用
......さんとあざみさんがいっしょに歌いながらステップの練習をした。砂に素足がすべっていくのを私はうっとりと見つめた。 私たちは陽が沈むところをじっとじっと見ていた。 こんなにお店もあって食べるところもたくさんあるのに、私たちは何にもない砂の上で満足していた。あたたかい風と太陽の光と移りゆく時間が変えて行く景色があればなにもいらない。 多分マサコさんだって意地悪い普通のおばあさんであるだろうし、あざみさんはまるっきり子供のまま大きくなったたちの悪いおばさんで、私は幼稚で考えも甘いのに親がいな......
単語の意味
景色(けしき)
砂(すな)
満足(まんぞく)
景色・・・風景。眺め。とくに、自然の眺め。
砂・・・岩石が細かくなったもの。岩が徹底的に砕かれたもので有機物が含まれていない。そのため、土(有機物が含まれる)と違って、植物は育ちにくい。砂場や砂漠に雑草が生えにくいのもこのため。
満足・・・1.自分の思い通りになって、不満がないこと。これ以上注文のつけようがないこと。申し分がないこと。
2.十分なこと。完全なこと。
2.十分なこと。完全なこと。
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南の島の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(ハワイにつく)ホノルルの空港に降り立つと、とたんに違う種類の光が降ってきて、はっとして目が覚める。《…略…》急に植物の命がばりばりと光を食べている中に放り出される。体中の細胞が甘く官能的に動き始める。ざわざわした動きが体の中で行き場を求めて流れ始める。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
(ハワイ)あの体をなでるような風、薄青くどこまでも続く空の広がり、やたらに濃い緑、白く 尖っては巻き込まれていく波の様子、長い長いワイキキのビーチの砂のしっとりとした感じ……どんなに音があっても、なぜか音がない世界のようなあの島。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
(ハワイ)みんな特に美しいわけでもかっこいいわけでもなく、単なる薄汚れた人間たちが集って浜辺でごろごろしているだけだ。ちっともすてきではないはずだ。 でもこの島の魔法はそんなこと全てにきらきらした粉をかけてくれる。みんなすばらしい人で、世界は美しく、人生はよいものだと思わせてくれる。その考えはまぼろしではなくって、もしかして泥の上に咲いた 蓮 のようなものなのかもしれない。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
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バカンスの表現・描写・類語(暮らし・生活のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(遠い異国でのバカンス)わたしは世界の端っこにいて、そこに静かに腰かけていて、誰にもわたしの姿は見えない。そんな気がしたわ。ここにいるのはわたしとすみれだけ。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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「暮らし・生活」カテゴリからランダム5
イビツな男とニンシキフソクの女では、一生たったとて白い御飯が食えそうにもありません。
林芙美子 / 新版 放浪記
いつもと少しも変わっていない。女の子も客も、ふだんの生活の時間が継続していた。
松本 清張「点と線 (新潮文庫)」に収録 amazon
乞食を笑いつつ乞食よりもおとれる貧しき生活
林芙美子 / 新版 放浪記
朝から晩まで働いて、六十銭の労働の代償をもらってかえる。土釜を七輪に掛けて、机の上に茶碗と箸 を並べると、つくづく人生とはこんなものだったのかと思った。ごたごた文句を言っている人間の横ッ面をひっぱたいてやりたいと思う。
林芙美子 / 新版 放浪記
「地上・陸地」カテゴリからランダム5
ビル群の谷間へ埋め込まれたような、お初天神
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
雲のごとき上野谷中の森
永井 荷風 / 日和下駄 amazon
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