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胸で気持ちの高ぶりを感じるときの表現・描写・類語
考えると胸が詰まった。急に酸素が薄くなったみたいに、息が苦しくなる。海面に必死に手を伸ばすみたいにして、俺はなんとか言葉を探す。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
胸の張り裂ける思い
太宰治 / 走れメロス
男らしい君の胸をぎゅっと引きしめるようにして、熱い涙がとめどなく流れ始めた。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
それらの言葉が拳 となって続けさまに胸を打つ
有島武郎 / 或る女(前編)
有島武郎 / 或る女(前編)
胸にくっくと込み上げる感情が、意識された。
岡本かの子 / 母子叙情
かの女は胸を張ったちゃんとした姿勢で、むす子と向い合った。
岡本かの子 / 母子叙情
むす子に対する憧れが突然思いもかけぬ胸の中の別の個所から厳粛というほどの真率さでもって突き上げてきた。
岡本かの子 / 母子叙情
乳をむしりたいほど胸がいっぱいになって
吉川英治 / 銀河まつり
胸を突き上げる気持ち
林芙美子 / 新版 放浪記
その思いは胸にふくれあがり、私を支配しようとした。
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
(感情が)ものすごい勢いでわいてきて、しばらくは胸がいっぱいになって苦しいほどで、私は何も言えなかったくらいだった。
吉本 ばなな / 大川端奇譚「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
胸の奥底にある濃くて熱い液体が泡立つ。ひとつの宇宙が体に入ってくる。体内で命を持ってしまう。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
私は言いたかったのに言えなかった。 言おうとすると苦しくて、どうしてか胸がつまって、泣きたくもないのに泣きそうになってしまうのだった。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
風は冷たく、時折木の葉を舞い上げて強く吹いたが、そのせいでむしろ、チケットを握り締めた人々は、コートの下の胸の昂ぶりに熱を感じた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
祖父江の死に目に会えないかもしれないということ、助かっても後遺症でギターはもう弾けないのではないかということなど、様々な考えが 一時 に溢れ出して、胸がいっぱいになった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
胸の底にかすかな期待が芽生えた
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
快感と苦しみと両方ともがめいっぱいに腫れ上がって、わたしの胸をふさいでいた。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
(デートの)待ち合わせの時間が近づくと、一刻一刻がずきんずきんと音を立てて胸に刺さってくるようだった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
彼は思わず頰に血の昇るのを感じた。胸の 動悸 を聴いた。
志賀 直哉 / 雨蛙「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
数十年振りに少年のような気持になり、胸をときめかせた。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
烈しい感情が胸の底からつきあげ
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
胸の中を突如として、正体の知れない不可解な暗い感情の稲妻がとおりすぎる。
野間 宏 / 顔の中の赤い月「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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