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道に沿うた渠(みぞ)である細い水が、月の光を砕きながら流れていた。それは大きな雲母(うんも)の板か何かのように黒く、そうして光って、音を立ててふるえていた。
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 作品を確認(amazon)
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流水・水の流れ
月の光・月明かり
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単語の意味
雲母(うんも・うんぼ・きらら・きら)
沿う・添う・副う(そう)
雲母・・・鉱物の一種。六角形の板状の形をしていて、光沢があって光を受けるとキラキラと輝く。薄いので、ナイフ等で薄くはがすことができる。英語に由来して「まいか(mica)」と呼ばれる事もある。
沿う・添う・副う・・・1.(「沿う」と書いて)長い線状のものの近くを離れずに平行に進む。つたっていく。
2.(「沿う」「添う」「副う」と書いて)期待されるところから外れない状態を保つ。ある基準から離れないようにする。
2.(「沿う」「添う」「副う」と書いて)期待されるところから外れない状態を保つ。ある基準から離れないようにする。
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月は西の空まで白い波のように長く拡がっている雲の端に隠れ、ちょうど月を隠している雲の端は、内から洩れ出る輝きに光を噴き出しているかのように見える。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
水は月光を映して、 燻銀 に光り、
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
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「空・中空」カテゴリからランダム5
ススキの野原の上に黙して浮かび、穏やかな湖面に白い丸皿となって漂い、寝静まった家屋の屋根を密やかに照らすあの月だ。満ち潮をひたむきに砂浜に寄せ、獣たちの毛を柔らかく光らせ、夜の旅人を包み護るあの月だ。ときには鋭利な三日月となって魂の皮膚を削ぎ、新月となって暗い孤絶のしずくを地表に音もなく滴らせる、あのいつもの月だ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
闇のさなかに、油を塗ったような満天の星が光る
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
月の光に心を奪われていると、不可能なことなどないように思えてくる
羽田 圭介 / スクラップ・アンド・ビルド amazon
「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
耳元で、しきりに風が鳴っている。冷たくはないが、たっぷりと潮を含んでいるため、頬へ手をやると粘つく感触が指先に残る
原田宗典 / すれちがうだけ「しょうがない人」に収録 amazon
坂道を降り切ると、川瀬の音が一斉に立ち上ってきた
井上靖 / あすなろ物語 amazon
海がきらきら光って見える。はるか遠くまでまぶしい光のざわめきが広がっていくようだ。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
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